共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2022年3月

自己センシング高分子人工筋肉の開発と物理原理に基づく制御指向モデリング

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H03204
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

本研究の内容は,大きく分けて,釣糸人工筋アクチュエータのモデリング,イオン導電性高分子センサのモデリング,人工筋アクチュエータモジュールの開発の3つである.それぞれ分けて平成30年度の研究内容を以下に述べる.
<釣糸人工筋アクチュエータ>:人工筋アクチュエータモジュールの設計のためには,アクチュエータの特性がわからなければならない(モデリング).モデリングと,いまだ不明な点が多い動作原理の解明に向けて研究を進めている.本年度の研究の結果,収縮型(TCPF)だけではなくねじり型(TPF)の動作の特性計測が重要であることがわかってきた.さらに,温度に依存して,履歴現象(記憶効果)が生じることを新たに発見した.これを温度依存履歴現象と名付け,特性計測を行った.物理原理は現在検討中であるが,発見した成果は複数の学会にて発表を行った.
<イオン導電性高分子センサ>:センサの物理モデルはすでに提案されているが,非線形連立偏微分方程式で表され非常に複雑であり,工学的な近似モデルが必要とされている.前年度に得られたセンサ電圧発生モデル近似に加えて,センサ電流発生モデルに着目し,研究を進めた.電流発生モデルにおいても,シンボリックな有限要素法によって,解析的に離散化モデルを導出することに成功した.電圧に比べて電流をシミュレートするためには,より高い次数が必要であったが,非常に良い近似が得られた.成果は複数の学会発表にて報告を行った.
<モジュールの開発>:前述のように,釣糸人工筋アクチュエータに関して,これまでに知られていない新しい特性(温度依存ヒステリシス)を見出した.そのため,モジュール開発に先駆けて釣糸人工筋アクチュエータの特性計測とモデル化に重点をおくものとした.

ID情報
  • 課題番号 : 17H03204

この研究課題の成果一覧

MISC

  2

講演・口頭発表等

  1