2019年
野生由来亜種および異種マウスからのES細胞株樹立の取り組み
日本繁殖生物学会 講演要旨集
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- 巻
- 112
- 号
- 0
- 開始ページ
- P
- 終了ページ
- 107-P-107
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.14882/jrds.112.0_P-107
- 出版者・発行元
- 日本繁殖生物学会
<p>実験用マウスとは遺伝学的に離れた野生由来の亜種および異種マウスからES細胞株の樹立の試みを開始した。これらの系統では計画的な受精卵作出などの生殖工学技術の適用が困難であるが,もしES細胞株が樹立されれば,保存後の系統復元やキメラ個体の作出などが期待され,細胞や遺伝子レベルでの多様性の研究に多用できると考えられる。【材料と方法】マウス:実験用マウス(M. m. domesticus)とは亜種のCASP/1Nga(M. m. castaneus)および異種のZBN/MsとSPI/TUA(M. spicilegus)の各系統を用いた。胚盤胞の作出:A法)体外受精胚の培養,B法)体外受精胚を前核期に胚移植し3–4日後に回収,またはC法)雌へPMSGを投与後に雄と同居させて交配確認の3日後に胚を回収して行った。体外受精・胚培養:PMSGとhCGによる過排卵後,採取した卵子を1.25 mM 還元型グルタチオン添加HTF液で前培養し,0.4 mM methyl-β-cyclodextrin添加PVA-HTF液で1時間培養した精子を導入して体外受精を行った。胚培養にはCZB液を用いた。ES細胞株の樹立:得られた胚盤胞をフィーダー細胞上に播種し,15%KSR,LIF,2i(CHIR99021, PD0325901)の培地で培養後に増殖した内部細胞塊をピックアップし,継代して樹立を行った。【結果】CASP/1Nga系統は過排卵と体外受精および胚培養が困難であり,体外受精を介するA,B法では十分な数および品質の胚盤胞が得られず,C法の交配によって獲得した受精卵から3ラインのES細胞株を樹立できた。ZBN/MsとSPI/TUA系統は交配率の低さからC法による受精卵の採取が困難であり,更にA法よりもB法によってそれぞれ6および4ラインのES細胞株の樹立に成功した。今後は得られたES細胞の核型および多能性について解析すると共に,4倍体胚等を利用した各系統マウス個体の復元の確認やキメラマウスの作出を進める予定である。</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14882/jrds.112.0_P-107
- ISSN : 0916-8818
- J-Global ID : 201902245464908681
- CiNii Articles ID : 130007719299