2016年4月 - 2021年3月
琉球史料学の基礎的構築に基づく近世琉球史研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本科研の研究集会において、各分担者の報告とその論点は次の通りである。
(1)知名定寛氏「東本願寺の琉球布教の契機―漂流に関する沖縄側と本土側の史料照合―」は、新たに発見された『明治十一年三月整頓/琉球上申書類綴込/東本願寺鹿児島別院保管』を用いて清原昇道(信行寺住職)による「琉球藩布教」を検討した。
(2)赤嶺守「「道光十八年 冠船付評価方日記」に見る評価貿易―告示・稟文・批示・札・甘結・領状等の分析を中心に-」は、1838年の冠船貿易に関して、収録文書23点の漢文史料(告示~領状)について各文書を検討し、冊封使の果たした役割が重要であった点を明らかにした。
(3)深澤秋人「廃藩置県のあとの鹿児島琉球館―尚家文書343号を用いて―」では、1871年6月29日~1872年9月14日までの鹿児島琉球館に詰めた池城親方の「在勤中日記」を分析し、廃藩置県によって鹿児島県となった際の琉球館聞役と蔵役交代をめぐる儀礼の問題に関して検討を加えた。
(4)豊見山和行「琉球国後期における「諸物代付帳」と「多良間島諸物代付帳」について」は、「諸物代付帳」の研究史を再検討し、多良間島の「諸物代付帳」は、夫遣いとの換算や同島に産出する物品を知る上で重要であること、現物貢納経済システムが琉球国後期の時代においても機能していたことなどを提起した。
(5)麻生伸一「「宋廷綱案」について」では、「尚家文書」259号、1864年「唐船仕出日記并帰帆日記」中の球商(福州商人)の宋廷綱とのトラブルについて、福州での商品購入時における海防官からの「照会」等文書から紛争案件を分析し、返済銀の問題、福州の球商・牙行の問題を具体的に検討した。
(1)知名定寛氏「東本願寺の琉球布教の契機―漂流に関する沖縄側と本土側の史料照合―」は、新たに発見された『明治十一年三月整頓/琉球上申書類綴込/東本願寺鹿児島別院保管』を用いて清原昇道(信行寺住職)による「琉球藩布教」を検討した。
(2)赤嶺守「「道光十八年 冠船付評価方日記」に見る評価貿易―告示・稟文・批示・札・甘結・領状等の分析を中心に-」は、1838年の冠船貿易に関して、収録文書23点の漢文史料(告示~領状)について各文書を検討し、冊封使の果たした役割が重要であった点を明らかにした。
(3)深澤秋人「廃藩置県のあとの鹿児島琉球館―尚家文書343号を用いて―」では、1871年6月29日~1872年9月14日までの鹿児島琉球館に詰めた池城親方の「在勤中日記」を分析し、廃藩置県によって鹿児島県となった際の琉球館聞役と蔵役交代をめぐる儀礼の問題に関して検討を加えた。
(4)豊見山和行「琉球国後期における「諸物代付帳」と「多良間島諸物代付帳」について」は、「諸物代付帳」の研究史を再検討し、多良間島の「諸物代付帳」は、夫遣いとの換算や同島に産出する物品を知る上で重要であること、現物貢納経済システムが琉球国後期の時代においても機能していたことなどを提起した。
(5)麻生伸一「「宋廷綱案」について」では、「尚家文書」259号、1864年「唐船仕出日記并帰帆日記」中の球商(福州商人)の宋廷綱とのトラブルについて、福州での商品購入時における海防官からの「照会」等文書から紛争案件を分析し、返済銀の問題、福州の球商・牙行の問題を具体的に検討した。
- ID情報
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- 課題番号 : 16H03476
- 体系的課題番号 : JP16H03476
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
琉球沖縄歴史 (2) 3-23 2020年8月31日 査読有り筆頭著者
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沖縄芸術の科学 : 沖縄県立芸術大学附属研究所紀要 32 51-75 2020年3月 査読有り