論文

2015年3月

加齢による歩行運動イメージの特性 時空間的要素における若年者との比較

高知県理学療法
  • 竹林 秀晃
  • ,
  • 滝本 幸治
  • ,
  • 奥田 教宏
  • ,
  • 宮本 謙三
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  • 宅間 豊
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  • 井上 佳和
  • ,
  • 宮本 祥子
  • ,
  • 岡部 孝生

22
開始ページ
43
終了ページ
47
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公社)高知県理学療法士協会

近年、運動イメージを評価・治療に応用することが期待されている。運動イメージ能力は、加齢により低下することは報告されており、転倒などとの関係性も認められている。今回、10m歩行動作のMental Chronometry:MCにおける力日齢による歩行運動イメージ特性を中心に時空間的要素を若年者と比較することを本研究の目的とした。対象は、20歳代の若年成人50名(若年者群:22.4±2.3歳)と自立した生活をしている地域在住高齢者52名(高齢者群:75.9±6.2歳)とした。運動課題は、10m平地自由歩行とした。MCの計測は、椅坐位開眼で10m先にあるカラーコーンまで歩行するイメージ課題をストップウォッチにて対象者本人が計測した。その際に、対象者自身に歩数の計測も求めた。運動実行時間は、ストップウォッチを用いて実際に10m自由歩行遂行時間と歩数を検査者が計測した。若年者と高齢者各々の心的歩行と実際歩行の時間差と歩数差の絶対値をunpaired test用いて、また高齢者の心的歩行と実際歩行の時間差と歩数差の特性を出すためにχ2検定を用いて検討した。歩行能力と運動イメージの正確性の特性をみるため実際歩行時間・歩数と運動イメージの絶対誤差(時間・歩数)との関係性についてはPerson積率相関係数を用いて検討した。運動イメージと実際動作の時間・歩数の絶対誤差は、有意に高齢者で高値を示した(p<0.001)。また、運動実行時間の方が延長していた者・運動実行時の歩数が多い者が有意に多かった(p<0.05)。時間一致性と歩数差は加齢による影響を受け、加齢により運動実行時間が延長するのは、歩数の減少つまり歩幅の現象によるものであり、運動イメージ想起能力が低下していることが示唆された。また、高齢者において歩行能力が低い者ほど運動イメージとの誤差が有意に大きくなることを示した。つまり、運動パフォーマンスレベルが高い者ほど一致し、運動パフォーマンスレベルが低い者は運動イメージ力も低いことが示唆された。これらは、加齢に伴い身体図式や身体機能が衰えた事が原因だと考えられる。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 1342-4920
  • 医中誌Web ID : 2016321314

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