中等度強度の持久性運動が唾液中の生化学成分や歯周病原細菌に及ぼす影響について検討したので報告する。27〜52歳で週2回以上の運動習慣をもつ健常男性12名を対象とした。身体測定および運動負荷試験、臨床診査、細菌検査、生化学検査を実施した。検討の結果、中等度強度の持久性運動を行った結果、唾液中の歯周病原細菌と生化学成分が有意に減少していた。このことから、運動が唾液中の歯周病原細菌と生化学成分、それに関連して引き起こされる歯周病態に何らかの変化を及ぼす可能性が示唆された。今後、重度歯周炎患者を対象として、唾液中の遊離ヘモグロビン、血清IgG抗体価や他の歯周病原細菌を調べ、運動と歯周病態との関係性をさらに詳しく検討する必要があると思われる。