基本情報

所属
埼玉医科大学 医学部ゲノム応用医学 教授
学位
博士(医学)(東京大学)

通称等の別名
HORIE-INOUE Kuniko
研究者番号
90261982
J-GLOBAL ID
200901020346358091
researchmap会員ID
5000022738

外部リンク

埼玉医科大学医学部ゲノム医学研究センター・ゲノム応用医学において、性ホルモン受容体とその応答遺伝子の分子メカニズム、特に乳がんおよび子宮内膜がん等の女性特有のがんの病態における機能解析を中心に研究を進めております。次世代シーケンス解析と全ゲノム情報を統合的に解析し、女性ホルモンであるエストロゲンの受容体応答遺伝子を同定し、それらの機能解析と、エストロゲン受容体とその応答遺伝子を介する転写調節機能の解析を進めています。これらホルモン依存性女性がんについて、患者由来培養系とその異種移植系を用い、がんの病態特異的な代謝メカニズムの解析を進めています。

 

ホルモン依存性女性がんの代謝作用に関わり、がん進行をもたらすエストロゲン受容体応答性因子の1つとして、我々はミトコンドリアに発現するCOX7RPを同定しました [Nature Communications, 2013]。COX7RPの機能として、我々はミトコンドリア酸素呼吸を効率的に進めるために必要な、呼吸鎖複合体間に構成される「超複合体」の形成促進因子として作用することを世界に先駆けて解明し、COX7RP過剰発現マウスではマラソンランナー型の運動持久力の上昇が認められ、エネルギー代謝におけるCOX7RPの重要性を明らかにしてきました。乳がん・子宮内膜がんにおいてCOX7RPの発現が上昇するとエネルギー代謝が亢進し、がん増殖と予後不良に結びつくことを発見しました [Nature Communications, 2019]。

 

ホルモン依存性女性がん患者由来培養系は、患者がん組織よりスフェロイド培養系を用いて、3次元のインビトロがんモデルを構築するもので、がん病型別に患者由来培養系を確立し、さらにその移植腫瘍を作製することにより、実臨床を反映するがん病型別の病態メカニズム解析と前臨床試験・精密医療への応用が可能になります。我々は乳がん、子宮内膜がん、卵巣がんの女性がんに加え、前立腺がん、精巣がんの男性がんでホルモン作用および転移機構を解析できるがん患者由来培養・動物モデルの樹立に成功しています。これらの新しいがんモデル系を用いて、COX7RPのがん病型別の機能、さらにがん特異的代謝機構の解析を進めたいと考えております。

 

さらに、女性がんにおけるエストロゲン等の性ホルモン作用と関連する非コードRNAとRNA結合蛋白質の働きに注目しており、乳がん・子宮内膜がんの診断・治療標的となりうる性ホルモン依存性の長鎖非コードRNAやこれらのがん増殖に関連する遺伝子のRNA制御を行うRNA結合蛋白質を同定し、機能解析を進めています。がん転写制御メカニズムにおいて、特に性ホルモン作用に関わるスーパーエンハンサー領域に着目し、そのゲノム領域に作用するRNAとRNA結合蛋白質の機能をがん病型別に解析することを目指しています。


委員歴

  3

論文

  53

MISC

  52

書籍等出版物

  1

主要な講演・口頭発表等

  99

共同研究・競争的資金等の研究課題

  13

産業財産権

  4