共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2020年3月

RNA四重らせん構造によるストレス顆粒の制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
  • 三好 大輔
  • ,
  • 川内 敬子

課題番号
18K19153
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

細胞質に存在するストレス顆粒は、RNAの運搬、局在、蓄積、保護、分解など、RNAの運命を調節し、細胞が受ける様々な外部刺激に対応している。mRNAとタンパク質からなるストレス顆粒の特筆すべき点は、分子環境に依存した顆粒形成と解離の可逆性にある。しかし これまでの研究では、ストレス顆粒の環境応答性と可逆性を生み出す分子機構は明らかではない。
注目すべきことに、ストレス顆粒に含まれるタンパク質(顆粒タンパク質)はmRNA四重らせん構造に結合可能であり、さらに、ストレス顆粒に含まれるmRNA(顆粒mRNA)の多くは 四重らせん構造を形成できる。この四重らせん構造は、環境応答能や可逆的多量体化能を有する。そこで本研究では、顆粒mRNAが形成する四重らせん構造の環境応答性およびmRNA四重らせん構造と顆粒タンパク質の相互作用を、細胞を模倣した分子環境で定量解析し、mRNA四重らせん構造の分子環境依存的構造変化とストレス顆粒のダイナミクスの相関を化学的に解明することを試みる。最終的には、外部刺激や細胞内環境因子でmRNA四重らせん構造を調節し、ストレス顆粒の合理的制御を目指している。
これまでの研究から、顆粒形成のモデル実験系を、オリゴ核酸(RNA及びDNA)とペプチドを用いて構築することに成功した。核酸鎖の塩基配列と二次構造を系統的に設計して、顆粒形成能を検討したところ、四重らせん構造を形成する核酸鎖のみが顆粒を形成することが示された。同時に、mRNA四重らせん構造を選択的に結合する光増感剤を見出した。この化合物に光を照射することで、標的とするmRNAを選択的に切断することも可能となった。さらに、活性酸素が細胞内で産生されることで、ストレス顆粒が形成され、顆粒内に四重らせん構造と顆粒のマーカータンパク質が共局在することも確認できた。

ID情報
  • 課題番号 : 18K19153