共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

がん細胞悪性化における新規核内アクチンファイバーの役割の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 川内 敬子
  • ,
  • 岩根 敦子

課題番号
18K06231
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

がん細胞が成育する基質の硬さは、抗がん剤感受性に影響を及ぼす。これまでの研究で、生育している基質が柔らかい方が、癌抑制遺伝子産物p53の活性は低くなるために抗がん剤感受性が低下することを、ヒト乳がんMCF細胞を用いて証明してきた。さらにこの際に、核内で見られる新規アクチン線維(Fアクチン)構造:核アクチンファイバーの形成が誘導されることを見出してきた。核アクチンファイバーの機能は新規構造であるが故に不明である。本研究では、核アクチンファイバーの機能および形成分子機構を解明し、それを標的として化学療法の効果を高める新たな治療法への応用を目的とした。
はじめに、p53の活性の低下が、抗がん剤処理で誘導される核アクチンファイバーの形成に重要であるかを解析した。まず、硬い基質上で培養したMCF細胞における核アクチン線維構造に対するp53ノックダウンの影響を調べたところ、p53ノックダウンすることで抗がん剤処理により核アクチンファイバーの形成が誘導されることが示された。また、p53野生型およびp53ノックアウトマウス由来胎児線維芽細胞を用いた同様の解析でも、p53-/-MEFsでのみ核アクチンファイバーの形成が誘導された。したがって、p53は抗がん剤処理で誘導される核アクチンファイバーの形成を阻害していることが示された。次に、核アクチンファイバーの形成に関与する分子の同定をアクチン制御タンパク質に対する様々な阻害剤やshRNAを用いて試みた。その結果、アクチン重合分子FMN2が核アクチンファイバーの形成には必要であることを明らかにした。

ID情報
  • 課題番号 : 18K06231