論文

査読有り
2013年11月

再生医療の臨床研究参加意向に関する調査 Web調査を利用して

厚生の指標
  • 堀口 逸子
  • ,
  • 川南 公代
  • ,
  • 城川 美佳
  • ,
  • 重松 美加

60
13
開始ページ
30
終了ページ
36
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
出版者・発行元
(一財)厚生労働統計協会

目的 国民の再生医療における臨床研究参加促進のためにiPS細胞の認知について,また研究参加と提供者不明ヒト幹細胞利用およびドナーとレシピエントの個人情報の取り扱いに関する意向の把握を目的とした。方法 (財)日本情報処理開発協会による「プライバシーマーク」を取得しているリサーチ会社モニター20〜69歳の日本国内居住者を対象に,iPS細胞に関する認知調査と,その調査においてiPS細胞を「おおむね知っている」または「言葉を聞いたことはある」と回答した5,128人(回収率59.7%)に対して,再生医療の臨床研究参加意向に関する調査を実施した。意向調査の質問は,臨床研究参加意向,提供者不明のヒト幹細胞利用意向,ドナーおよびレシピエントへの情報提供の4問である。調査は平成23年2月25日から3月2日に実施した。結果 iPS細胞を「おおむね知っている」「言葉を聞いたことがある」は約70%で,男性が女性より認知群が有意に多かった(p<0.0001)。臨床研究参加の肯定群は76.1%で,iPS細胞を「おおむね知っている」が「言葉を聞いたことはある」より有意に多かった(p<0.0001)。提供者不明のヒト幹細胞利用意向の肯定群は46.0%で,男性(52.2%)が女性(39.3%)より有意に多かった(p<0.0001)。iPS細胞を「おおむね知っている」(50.4%)が「言葉を聞いたことはある」(44.1%)より有意に多かった(p<0.0001)。情報提供をドナーおよびレシピエントに求める肯定群は全体の90%を超えた。結論 iPS細胞の認知や臨床研究参加意向は過去の世論調査や研究と大差なかった。提供者不明ヒト幹細胞利用意向は約半数で,ドナーの情報が明白なこと,いわゆる連結可能であることが求められている。また,レシピエント,ドナーともに将来の健康状態の変化に対する情報提供を望んでおり,トレーサビリティ(追跡透明性)が期待されている。iPS細胞を「おおむね知っている」が「言葉を聞いたことはある」より有意に研究参加意向が高かったため,iPS細胞とはどういうものか等の理解促進が研究参加の促進につながると考えられる。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0452-6104
  • 医中誌Web ID : 2014075648

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