共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

高句麗・渤海を東部ユーラシア史に位置づけるための基礎的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01323
体系的課題番号
JP20H01323
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
13,130,000円
(直接経費)
10,100,000円
(間接経費)
3,030,000円

本研究課題では、①高句麗・渤海と「東部ユーラシア」諸地域、とりわけ看過されてきたモンゴリアとの関係を具体的・実証的に明らかにすること、②7世紀以降、現代に至るまでの「東部ユーラシア」諸地域において、高句麗や渤海がどのように認識されてきたかを、可能な限り具体的に示すことを、3年間の目標として設定した。今年度は、この目標に向けての基礎的な史料・資料収集や、関係各国における研究状況についての情報収集を行う予定であったが、コロナ禍による移動制限で、どちらも十分に実施できなかった。そのため、今までに集めた情報を集約して、研究発表や論稿化することに力を注ぐことに初年度の計画を変更した。また、コロナ禍で延期になった二国間交流事業(セミナー)「高句麗・渤海史に関する日中研究者会議」を3月に実施予定であったが、コロナ禍が続き中止となった。それでも、準備のためのオンライン研究会を実施し、さらに中止の代わりに日中研究者会議のために集めた論稿の出版計画を立て、出版社を押さえることができた。この成果公開は、次年度となる。
本年度の研究実績として特にみるべきは、研究課題①である。代表者である古畑によって、渤海と「東部ユーラシア諸地域」の具体的な関係を示す実証的な研究成果が公表され、なかでも古畑徹「靺鞨・渤海はなぜ「北狄」なのか」(『東方学』140、2020年7月)は本研究課題の核心についての最も重要な成果である。また、同『渤海国と東アジア』(汲古書院、2021年2月)では、序論で東部ユーラシア史という広域史概念についての簡単な整理が行われるとともに、渤海とモンゴリアの遊牧勢力との有機的な連関の具体例が第2部の各章で示された。このほか多数の研究分担者・研究協力者が研究課題①②に関連する研究発表を行っており、それらの多くは次年度に論稿化される予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01323
ID情報
  • 課題番号 : 20H01323
  • 体系的課題番号 : JP20H01323

この研究課題の成果一覧

論文

  8

MISC

  9

書籍等出版物

  4
  • 古畑徹, 井上直樹, 植田喜兵成智, 中澤寛将, 中村亜希子, 村井恭子, 渡辺健哉 (担当:共著)
    汲古書院 2022年2月14日 (ISBN: 4762967076)
  • 吉澤誠一郎 監修, 石川博樹, 太田淳, 太田信宏, 小笠原弘幸, 宮宅潔, 四日市康博 編著 (担当:分担執筆, 範囲:赤羽目匡由「唐の冊封体制」)
    ミネルヴァ書房 2022年1月 (ISBN: 9784623092178)
  • 清水信行, 鈴木靖民 編 (担当:共著, 範囲:赤羽目匡由「渤海の中央官制と地方制度」)
    勉誠出版 2021年2月 (ISBN: 9784585222897)
  • 鄭京日 외 지음, 이인재 엮음 (担当:共著, 範囲:赤羽目匡由「『類聚國史』에 실린 이른바「渤海沿革記事」원재료의 수집자에 대하여」;「『類聚國史』所載, 所謂「渤海沿革記事」の情報源の收集者について」)
    혜안 2020年10月 (ISBN: 9788984946507)

講演・口頭発表等

  6