共同研究・競争的資金等の研究課題

2012年 - 2014年

二大政党化の進展と政策対立の停頓:選挙制度改革以降の有権者-政党関係の変容

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(B))
  • S・R Reed
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  • 今井 亮佑
  • ,
  • 日野 愛郎
  • ,
  • 荒井 紀一郎

課題番号
24330045
担当区分
連携研究者
配分額
(総額)
16,510,000円
(直接経費)
12,700,000円
(間接経費)
3,810,000円
資金種別
競争的資金

本研究の目的は、選挙制度改革に付随して生じた有権者と政党との関係の変化を捉えた上で、有権者をめぐる様々な「対立軸」が、今日の選挙民主主義において果たす機能を明らかにすることにある。そこで平成24年度は、まず、有権者間に存在する「対立軸」の抽出を試みた。具体的には、第1に、様々な世代や職業の有権者を対象としたフォーカスグループインタビュー(FGI)、第2に、12月の衆議院選挙での各党の政権公約・マニフェストの分析、第3に、衆院選に合わせたウェブ調査を実施した。FGIでは、「保守-革新・リベラル」あるいは「小さな政府-大きな政府」といった政治をめぐる様々な用語が、現代の有権者に想起させるイメージを的確に把握することを試みた。分析の結果、有権者は確かに「保守-革新」、「小さな政府-大きな政府」、あるいは「タカ派-ハト派」といった政治における伝統的な対立軸を認識しているものの、「保守」「小さな政府」といった個別の概念については、有権者間の認識に大きなバラツキもあることが明らかになった。また、「若者-高齢者」や「都市-地方」といった近年注目されることの多い軸についての認知と、それらの軸を基にした政策態度が形成も確認された。次に、FGIでの分析結果と衆院選における各党の政権公約・マニフェストから政策対立軸を抽出して質問項目を作成し、衆院選前後にウェブ調査を実施することで、これらの対立軸の分布と業績評価、投票行動との関係について分析を行った。分析の結果、自民党と民主党による二大政党化を好まない有権者ほど、野田内閣に対する業績評価の高低にかかわらず、第3党に投票する傾向があることがわかった。このことは、有権者の政党システムに対する選好が、内閣業績評価と投票行動との関係に影響を与えていることを意味しており、投票行動研究における新たな知見といえる。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/24330045.ja.html