共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

学習する市民の政治的価値観の形成過程:分極化による集団間対立を抑制する条件の探求

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究
  • 荒井 紀一郎

課題番号
18K12705
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本研究の目的は、市民の政治的価値観がどのように形成され、また変容していくのかを実験や調査によって明らかにしていくことにある。研究期間2年目である今年度はおもに以下3つの実験、調査および得られたデータの分析をおこなった。
第1に、外交的な事件が有権者の政策選好に及ぼす効果を測定する実験である。この実験は報告者が尖閣諸島をめぐる日中関係が緊迫化した前後おこなった実験の追試となっており、外交イベントによって形成された有権者の政策選好がどの程度維持されるのかを検証した。実験の結果、イベントから6年が経過することによって、有権者の外交に対する政策選好はより断片化していったことが明らかになった。分析結果は、2019年8月にワシントンDCで開催された米国政治学会の年次大会で報告された。
第2に、市町村合併が政治家ー有権者関係に与える効果についての調査である。調査データの分析によって、人口規模や主要な産業などを統計的に統制してもなお、合併を経験した市町村に住む有権者は経験をしていない有権者と比較して、地元の政治家との接触頻度が低下し、政治や行政に対する満足度も下がることが明らかになった。分析結果をまとめた論文は、国際学術誌であるLocal Government Studiesから出版されることが決まっている。
第3に、圧力団体の政策影響力の変化と有権者の政治的有効性感覚の変化との関係を検証する分析である。1970年代から2000年初頭までの圧力団体調査データとその調査に対応する時期に実施された世論調査データとの組み合わせて分析すると、各団体のアウトサイドロビイングの量の変化とそれらの団体に加入している有権者の政治的有効性感覚の変化とが共変していることが明らかとなった。分析の成果は、日本選挙学会の学術誌である選挙研究に掲載された。

リンク情報
講演・口頭発表等
Voters’ Preferences over Local Leaders after Natural Disasters
ID情報
  • 課題番号 : 18K12705
  • 講演・口頭発表等の業績ID : 26324160