共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年7月 - 2020年3月

日本におけるヘイトスピーチの心的基盤と法規範形成の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)
  • 西澤 由隆
  • ,
  • 河野 勝
  • ,
  • 荒井 紀一郎
  • ,
  • 中條 美和
  • ,
  • 村上 剛
  • ,
  • 金 慧

課題番号
17KT0005
配分額
(総額)
15,600,000円
(直接経費)
12,000,000円
(間接経費)
3,600,000円

本研究の目的は、現代日本のヘイトスピーチ(HS)に関する心的基盤を実証的に明らかにし、そのエヴィデンスをふまえた上で、現行のヘイトスピーチ対策法(「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」2016年制定)をさらに超える新しい法規範形成の可能性を検討することにある。そして、そのために、本研究では、いかなる条件のもとでどのようなマイノリティに対する差別や言葉の暴力を一般の日本人が許容するのか、またその理
由は何か、といったヘイトスピーチに関わる心的メカニズムをサーベイ実験の手法を用いて解明する(経験的分析)と共に、現行法の内容と立法経緯を批判的に検証しつつそれに代わる法規範形成の方向性を探求(規範的考察)することとした。
そして、研究初年度に当たる2017年度には、先行研究のレヴューと新しい理論仮説の構築に努めた。また、プレ実験の批判的検証を経て、第1回サーベイ実験を実施した。
そして、当該年度には、上記サーベイ実験を通して得られた6,000人についてのデータの分析を進めた。とりわけ、ヘイトスピーチ規制に対する態度の決定要因について検討を進め、1)HSという概念が、日本人の間で必ずしも定着していないことや、2)HSに対する規制への態度と年齢・性別などの属性とに一定の関係があることなどを確認した。そして、このことは、すでに『中央公論』において公表したところである。
併せて、2019年3月には第2回のサーベイ実験を実施し、申請調書に掲げた第2の検討課題である「ヘイトスピーチ規制への態度に対する社会的迎合仮説と同調仮説の影響を検討」を可能とするデータを取得した。
また、当該研究のもう一つの柱である規範的考察では、各国のヘイトスピーチ規制の国際比較を進め、また、日本の現行法の内容と立法経緯の検証も進めた。