共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年 - 2013年

社会的ジレンマを克服する政治制度の構築:民主主義が機能する政治心理学的基盤の探求

文部科学省  科学研究費補助金(若手研究(B))
  • 荒井 紀一郎

課題番号
23730147
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
競争的資金

平成24年度は、まず、前年度までに実施した多数派の形成と公共財供給に関する実験で得られた結果をまとめ、4月に米国中西部政治学会(MPSA)で報告を行った。この実験では、自分の選好どおりの行動をとった被験者と、自分の選好とは異なる行動をとった戦略的な被験者の両方が観察されたが、実験後の尋ねた調査では、選好どおりの行動をとったが結果的に失敗した被験者と、戦略的に行動して失敗した被験者とでは、前者の方が実験のルールや、多数決という制度、あるいは民主主義システムに対する満足度が下がることが明らかになっている。報告では、この結果に対して様々なコメントがあり、今年度はこれらのコメントも参考に実験デザインを修正して再度実験を実施する予定である。なお、現地で得られたコメントをもとにして、現在、海外の学術誌に投稿するための準備を行っている。次に、本年9月から11月にかけて、全国118市町村、約12300人を対象として「地方自治と行政サービスに関する世論調査」を郵送にて実施した。この調査は、市町村合併が市民の行政・政治制度に対する信頼感、満足度、あるいは居住地域に対する帰属意識や人的なネットワークに与える効果を測定することを目的に実施された。調査は、人口動態や産業構成などをもとにした傾向スコアによって都市部、合併を実施した地方、合併を実施しなかった地方に分類した上で対象地区を抽出し、地区ごとの有権者名簿から無作為に対象者を抽出した。有効回答数は約4500人であった。調査の結果、合併をおこなった地域に住んでいる市民と合併をおこなわなかった地域に住んでいる市民では、前者の方が有意に1)政治制度に対する不満が高い、2)居住地域に対する帰属意識(社会的アイデンティティ)が低い、3)祭りなどの町の行事への参加頻度が低い、ということが明らかになった。調査結果は、現在、学会等での発表準備を進めている。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/23730147.ja.html