2011年 - 2013年
糖鎖プロセシング機能に立脚した小胞体ストレス関連疾患の化学的解析
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(A)) 若手研究(A)
- 課題番号
- 23681049
- 体系的課題番号
- JP23681049
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 23,790,000円
- (直接経費)
- 18,300,000円
- (間接経費)
- 5,490,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究では糖タンパク質糖鎖変換に注目した「糖鎖プロセシングに基づく疾患解析」を提案する。我々の体内では折り畳み不良タンパク質の蓄積によって生命システムの下流で多様な疾患が発症する。一方、生命システムの上流でタンパク質の折り畳み・選別・輸送・分解にまつわる品質管理を制御しているのは糖タンパク質糖鎖のプロセシングである。本研究では疾患発症過程上流の糖鎖プロセシング状況の変化を疾患の痕跡と捉え、これを足掛かりに多面的な疾患解析を行うことで、早期診断や新しい治療法の創発に繋げることを目的としている。前年度までに試験管内で再構成した疾患特的糖鎖プロセシングデータは、正常細胞と疾患細胞の差異を評価するには高い表現力を有するが、実際の細胞内の糖鎖プロセシング状況を正確に示すのものではない。細胞内は様々な生体分子が高濃度(数百mg/mL)で存在する空間であり、一般的なin vitro解析とは根本的に反応場が異なるため、しばしば両者は異なった結果を与える。そこで平成24年度は疑似細胞内環境として試験管内に再現した分子クラウディング環境下で糖鎖プロセシング解析を行い、従来のin vitro環境下のそれと比較解析を行った。その結果、分子クラウディング下で本研究で注目する糖鎖プロセシング過程の前半は加速し、後半が減速することを見出した。本成果は疑似細胞内環境での糖鎖プロセシングに立脚した疾患解析を進めるための要素技術となるものと考えている。また前年度に糖鎖が結合するプラットフォーム構造によって糖鎖プロセシング状況が変化する現象を初期的に観察することができたため、平成24年度は糖鎖の根元の構造を多様化した一連の基質を合成し、結合プラットフォームの構造変化が糖鎖プロセシングに与える影響を精査する基盤を確立した。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 23681049
- 体系的課題番号 : JP23681049