2012年
我が国自生のスノキ属植物とブルーベリー栽培品種における植物組織培養と試験官外発根を利用したクローン増殖
園芸学研究
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- 巻
- 11
- 号
- 1
- 開始ページ
- 13
- 終了ページ
- 19
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.2503/hrj.11.13
- 出版者・発行元
- 園芸学会
ブルーベリーの育種素材として有望な,ナツハゼをはじめとする我が国自生スノキ属野生種において,植物組織培養と試験管外発根を利用したクローン増殖について検討した. まず,ナツハゼの腋芽からの多芽体誘導とその増殖について検討したところ, 5mg・L-1zeatinを添加したMW培地が多芽体誘導に最も効果的であり,在来野生種3種とブルーベリー3品種で5.6~40.6%の多芽体誘導率を得ることができた. また,増殖効率を高めるためには,2~3か月間隔で多芽体の継代培養を行うことが適当と考えられた. 次に,効率的な発根方法について検討したところ,IBA処理により根の形成が早くなる傾向が観察され,処理濃度が高くなるにつれて発根率は増加した. また,IBA無処理区と対照区においては, 2週間暗所で前培養した方が最初から明所で培養するよりも発根率が有意に高くなったものの,IBA処理区では光条件による差は認められなかった. さらに,人工気象器内において,未発根シュートを直接順化・育苗する試験管外発根一順化法を検討したところ, 'Redpearl'の発根率はシュートの長さによって差異が観察され, 1cmでは68.0%,2cm以上では90%以上の発根率を示した. さらに,難発根性のナツハゼにおいても順化1か月後に発根率48%以上,3cmに調整した処理区では72%という高い発根率を示した. 最後に,実用化を目的として,人工気象器の代わりに温室内の散水装置下での試験管外発根一順化法を試みた. その結果,順化2か月後の生存率は,ナツハゼ,'Berkeley' および'Redpearl'において,95.8,75.0および91.7%を示し,発根率はそれぞれ80.6,63.9および83.3%となり, 育成したナツハゼは順化約12か月後には圃場定値が可能な大きさに生長した.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2503/hrj.11.13
- ISSN : 1347-2658
- CiNii Articles ID : 120005320981
- CiNii Books ID : AA11608561