共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2021年3月

T2K実験の高度化によるニュートリノのCP対称性の測定

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別推進研究  特別推進研究

課題番号
16H06288
体系的課題番号
JP16H06288
配分額
(総額)
544,180,000円
(直接経費)
418,600,000円
(間接経費)
125,580,000円

加速器の高度化:(1)高感度2次元ビームプロファイルモニターのほとんどを製作・調達した。(2)新しいBPM処理回路のためのアナログ信号入力回路を試作、高調波歪 80 dB以下を確認。(3) H3方向薄板散乱体試験機を使って、ビーム試験を行い、鉛直方向に対するビームロス局所化性能向上の実証に成功。
ニュートリノビームラインの高度化:ビーム蛍光を用いた非破壊型陽子ビームプロファイルモニター開発においては、ガス注入時の圧力変化などを測定を進めた。また、実際にモニターを設置するトンネル内の場所で、蛍光信号の背景信号の評価を行い、背景信号の低減にむけた遮蔽体の検討などをすすめた。読み出しエレクトロニクスの高度化では、加速器の1秒周期に対応したモニター読み出しエレクトロニクスの開発を行った。1.3MWビームへの増強として、電磁ホーンの水冷バスバーへの配管の取り回し方法の検討などを行った。一方、320kAおよび1Hz運転に向けて、既に開発・製造した電源およびパルストランスの単体性能試験を行い、最終的には実負荷に接続して通電試験を行った。その結果、予想どおりの性能を満足することを実証した。
前置検出器高度化:より高性能な設計として,1cm角のプラスチックシンチレーターキューブを多数積層した新型の検出器構造を採用することを決定した。シミュレーションによる検出器性能の再評価,光検出器MPPCの要求仕様決定と初期生産分の購入,組み立て方法の開発,小型プロトタイプのビームテストによる性能評価を行った。
解析においては、電子ニュートリノ反応の内、パイ中間子が終状態に含まれる事象も新たに信号事象として捉えられるようにすることで、検出効率を高め、T2Kの感度向上に成功した。この改良された解析手法を2017年夏までの全てのデータに適用し、CP対象性が2σ以上の確度で破れていることを世界で初めて示した。

リンク情報
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-16H06288/16H06288_saitaku_gaiyo_ja.pdf
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-16H06288/16H06288_saitaku_shoken_ja.pdf
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-16H06288/16H06288_kenkyu_shinchoku_hyoka_genchi_chosa_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H06288
ID情報
  • 課題番号 : 16H06288
  • 体系的課題番号 : JP16H06288