共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

植物-環境系における熱輸送現象の時空間変動:実測評価と数値シミュレーション

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 木村 建介

課題番号
17J05569
配分額
(総額)
2,500,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
0円

イチゴ温室内の熱輸送の時空間分布を,環境要素(気温,湿度,風速,CO2濃度)の移動計測と半天球画像の多点撮影によって推定した日射量の分布から評価した.さらに,温室内の熱輸送の時空間分布と光合成生化学モデルおよび気孔コンダクタンスモデルを組み合わせ,光合成速度および蒸散速度の時空間分布を評価した.その結果,光合成速度および蒸散速度には,水平方向のムラが存在していることが明らかとなり,そのムラは日平均で22%に達した.今後はこれらのムラがイチゴの果実収量の空間分布に与える影響を調査する.
上記の温室内の熱輸送を数値シミュレーションによって再現した.計算はイチゴの植生を多孔質体とみなし,3次元領域において行った.シミュレーション結果としては,イチゴ群落からの蒸散(水蒸気輸送)を考慮していなかったため,イチゴ群落付近の気温および群落温度の日変化の傾向は再現できたが,シミュレーションによる計算値が温室内の実測値を過大評価していた.また,温室内で移動計測によって実測した気温の空間分布(水平方向および垂直方向の分布)とシミュレーションによる気温の分布は,群落近傍を除けば概ね一致していた.今後は温室内の水蒸気とCO2の輸送のシミュレーションを行う.さらに,植物の光合成および蒸散をシミュレーションモデルに組み込み,シミュレーション精度の向上を目指す.