共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

埴輪の生産・流通体制の総合的検証にもとづく王権中枢部巨大古墳群造営過程の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01363
体系的課題番号
JP20H01363
配分額
(総額)
14,040,000円
(直接経費)
10,800,000円
(間接経費)
3,240,000円

初年度となる本年は、SfM-MVS法による三次元計測のための必要機器類を購入し、対象とする埴輪資料を記録、分析していくための環境を整えた。同時に本研究が主対象とする奈良市平城宮東院下層埴輪窯、およびその周辺から出土した埴輪、土器類に対して、悉皆的な実見と資料の抽出作業をおこなった。抽出資料については、台帳を作成しつつ、学生アシスタントを雇用して、三次元モデル作成のためのデジタル画像の撮影、および撮影画像の基礎処理を実施し、データの蓄積を進めた。その上で順次、Agisoft社のMetashape Proを使用して蓄積した画像から三次元モデルを作成した。また、奈良市教育委員会が所蔵するコナベ古墳の資料、奈良県立橿原考古学研究所が所蔵するヒシャゲ古墳の資料についても、実見および整理作業を遂行し、一部の資料については試験的に三次元計測を実施した。
新型コロナウィルスの感染拡大により、分担者、協力者間での連携が困難を極めたが、一時的に状況が安定した秋(11月28・29日)に、所内外の分担者・協力者を招聘して第1回目の検討会を実施した。検討会では各機関が所蔵する埴輪や土器、土製品について、品目や詳しい内容について情報共有を図るとともに、各資料の形態・製作技法、焼成や顔料、胎土等について意見交換をおこない、今後の分析課題の共有を図った。
本研究は、最終的に平城宮東院下層埴輪窯、および佐紀古墳群における埴輪の生産・流通体制を多角的かつ実証的に分析することを目指すが、以上により、次年度以降、本格的に研究を進めるための基盤を拡充することができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01363
ID情報
  • 課題番号 : 20H01363
  • 体系的課題番号 : JP20H01363

この研究課題の成果一覧

論文

  3

MISC

  1

講演・口頭発表等

  5

学術貢献活動

  1