2006年5月
ベンチャーキャピタルの新技術ベンチャー投資と投資後活動:シリコンバレーのベンチャーキャピタルの考察
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- 担当範囲
- 93-117
- 出版者・発行元
- 中央経済社
本章は、投資後活動 と要求利益率との関係から、新技術ベンチャー投資に傾 注するシリコンバレーのVCの投資行動に ついて論じた。 シ リ コ ン バ レ ー の V C は 、 ポ ー ト フ ォ リ オ 理 論 に 基 づく リ ス ク 低 減 と し て の 分 散 投 資戦 略 を と ら ず 、 ポー ト フ ォ リ オ 理 論 に よ れ ば リ ス ク が 高 い と さ れ る 集 中 投 資 戦 略 を と る。 ま た 、 V C が 投 資 コス ト 以 上 に 投 資 先 価 値 が 向 上 す る と 考 えるレベルまで、投資後活動に注力する。 シリコンバレーのVCの投資行動は、 ベンチャーキャビタリストのもつ特有の知識、能力に 基づく資源依存の考えを ベースとしたものである。 シ リ コ ン バ レ ー に お い て は 、 ケ ニ ー と フ ロ リ ダ (2 0 0 0 ) が 指 摘 す る 「 投 資 、 成 長,資金の 積という好循環のなかで、成功した起業がベンチャーキャピタリストとなり、既存のVCファンドは、新たなVCファンドを誕生させた」 (Kenny and Florida, 2000: 121)という好循環が、特定の技術領域に経験、知識を もつ、 すなわち価値付与能力の高いベンチャーキャピタリスト人材を供給し た。 こうした有能なベンチャーキャピタリストは、みずからが経験、知識をも つ と技術領域の投資先において、投入 コスト以上のリターンが見込めると認識 す る 限 り、 投 資 後 活 動 を 強 化 する 。 し た が っ て 、 自 ら の 能 力、 知 識 が 活 か せ る 技 術領域を前提に、より大きなリターンが期待できる投資先, すなわち従来にな い潜在性の高い市場を開拓する可能性のある先端技術で、成長余力が大きい成 長初期の新技術ベンチャーへの投資を積極化させることにな ったと考えられる。
- リンク情報
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- URL
- https://www.researchgate.net/publication/375379769_benchakyapitarunoxinjishubenchatouzitotouzihouhuodongshirikonbarenobenchakyapitarunokaocha
- URL
- https://www.academia.edu/108917409/%E3%83%98_%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%92_%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%96%B0%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%83%98_%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%81%A8%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%BE%8C%E6%B4%BB%E5%8B%95_%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%94%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%81%AE%E8%80%83%E5%AF%9F