2006年3月
知的財産マネジメントと技術経営
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- 担当範囲
- 127-141
- 出版者・発行元
- 学文社
企業間競争が激化する中で、製品・サービスの差別性を生みだす人間の創造的活動が、企業の持続的発展を左右するようになっている。創造的活動の成果である知的資本(Intellectual Capital)は、経営資源全体に占める比重が高まっており、企業内でいかに知的資本を創造、活用していくのかが問われている。 知的財産(Intellectual Property)は、知的資本の主要な構成要素の1つで、研究開発投資により創造された特許・著作権・商標・企業秘密などを言う。 技術をベースとして事業を行う研究開発型企業において、研究開発投資を確実に企業価値に結びつけていくためには、知的財産及びその創造プロセスを重視した技術経営の実践が不可欠となっている。知的財産マネジメントが技術経営において果たしうる主な役割としては、研究開発段階における“研究開発効率向上”や事業化段階における“権利化による市場コントロール”などを挙げることができる。 知的財産マネジメントは、知的財産部門のみの部分最適を目指すだけではなく、最終的な産業化に向けて、技術経営戦略と齟齬がないよう、企業としての全体最適を目指す必要がある。 技術経営において知的財産マネジメントが有効に機能するためには、知的財産部門と経営トップが近い関係であることはもちろん、知的財産部門と研究開発、マーケティングなど部門間が垣根を越えて有効な関係を築けるような組織整備が求められる。
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