「常陽」照射した酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼被覆管の照射挙動評価
日本金属学会2010年秋期(第147回)大会
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- 開催年月日
- 2010年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 札幌
- 国・地域
- 日本
原子力機構では、実用化段階の高速炉用燃料被覆管として高温強度特性と耐スエリング性を具備する酸化物分散強化型(以下、ODS)フェライト鋼の材料開発を行い、現在は「常陽」等を用いて実用化に必要な照射特性に関するデータ整備を進めている。本試験では、基本組成がFe-0.13C-9Cr-2W-0.20Ti-0.35Y$_{2}$O$_{3}$のマルテンサイト系ODS鋼とFe-0.03C-12Cr-2W-0.30Ti-0.23Y$_{2}$O$_{3}$のフェライト系ODS鋼の2種類を、高速実験炉「常陽」の材料照射リグ(SVIR, CMIR)を用いて、400$\sim$750$^{\circ}$Cの温度条件範囲で最大40.5 dpaまで中性子照射した。これらに対する照射挙動評価のために、金相組織観察,リング引張試験,硬さ測定,組織観察及び元素分析等の試験を実施した。引張試験結果からは、照射に伴い伸び特性が若干低下する傾向が示されたが、低温範囲で最も懸念されていた降伏応力の上昇と伸びの低下(いわゆる、照射硬化現象)は、本照射条件範囲においてほとんど生じていないことが明らかとなった。また、照射前後における微細組織観察から、照射前の複雑な組織状態は、いずれの照射後組織においても著しい組織変化を示すことなく、安定に存在していることが示された。