講演・口頭発表等

高速炉燃料用ODSフェライト鋼被覆管の開発,2; 「常陽」材料照射試験

日本原子力学会2011年秋の大会
  • 山下 真一郎
  • ,
  • 矢野 康英
  • ,
  • 小川 竜一郎
  • ,
  • 井上 賢紀
  • ,
  • 吉武 庸光

開催年月日
2011年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
北九州
国・地域
日本

実用化段階の高速炉では、経済性向上の観点から取出平均燃焼度約150GWd/t、冷却材出口温度約550$^{\circ}$Cを目標としている。このため、原子力機構では耐照射特性と高温強度特性に優れる酸化物分散強化型(以下、ODS)フェライト鋼被覆管の開発を進めており、「常陽」等の照射場を用いて実用化に必要な照射特性に関するデータ整備を進めている。原子力機構で開発を進めるODS鋼の基本組成は、Fe-0.13C-9Cr-2W-0.20Ti-0.35Y$_{2}$O$_{3}$のマルテンサイト系9Cr-ODS鋼とFe-0.03C-12Cr-2W-0.30Ti-0.23Y$_{2}$O$_{3}$のフェライト系12Cr-ODS鋼の2種類があり、これまでに「常陽」の材料照射リグ(SVIR, CMIR)を用いて、410$\sim$835$^{\circ}$Cの温度範囲で最大33.0dpaまでの照射試験データを取得してきている。これらのODS鋼に対する照射後試験として、金相組織観察,リング引張試験,硬さ測定,組織観察及び元素分析等の各種試験を実施し、「常陽」の照射条件範囲においては、機械的特性,組織安定性ともに照射に伴う著しい劣化は生じず、良好な耐照射性を有していることが示された。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5031404