中学生の薬教育に携わっている教員や学校薬剤師が、教育の方向性や到達目標についてどのような意識や要望を抱いているか、質的研究を行った。学校薬剤師5名、養護教諭5名、体育保健科教諭4名を対象にインタビュー調査を実施した。医薬品の適正使用教育については、『目標』『プロセス』『背景』の3つのテーマで、それぞれ10ラベル、29ラベル、23ラベルに分けられ、『目標』では「医薬品を適正に使用することで、自分を大切にできるように」「セルフメディケーションの実践ができるように」の2つのカテゴリーが付与された。薬物乱用防止教育については、『目標』6ラベル、『プロセス』22ラベル、『背景』10ラベルに分けられ、『目標』では「薬物を一度でも使用しないために」「生涯に渡って健康に生きるために」の2つのカテゴリーが付与された。医薬品の適正使用教育と薬物乱用防止教育に対する考えは職種によって大きな差はみられなかったが、それぞれに独自の視点を有していた。