2020年4月 - 2023年3月
市街地周辺における野生動物との共生システムの構築に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本課題の研究目的に基づいて当該年度では以下のような成果を上げることができた。
森林環境の維持増進を目的とした府県の独自課税(県・環境税)に着目し、その財源が野生動物保護管理の全体像で占める位置を解明すべく、県・環境税を導入している全37府県のレビューと4県の担当者への聞き取り調査を行った。結果、18県で野生動物保護管理に関する事業に県・環境税を活用しており、個体数管理、被害管理、生息環境管理、その他の幅広い領域で活用されていることが判明した。また4県への聞き取り調査では、野生動物保護管理において国による交付金では支援されない領域について、各県が県・環境税を財源として専門指導員の配置など新しい事業や,特定鳥獣管理計画策定に関わる調査等、他の予算ではまかなうことができない事業に取り組むことができるようになったことが明らかとなった。
また県・環境税を活用した、基礎自治体での獣害対策としての里山林整備にどのような効果をもたらしているのかを明らかにすることを目的に調査を行い、事例とした石川県では2020年度までの5年間で県内の50地区でイノシシやツキノワグマを対象として、集落周辺の過密化した里山林で集落沿いに間伐や藪の刈払いによる緩衝帯整備が実施されていた。これらの緩衝帯整備により野生動物の出没抑制の効果が確認されていること、その一方で当事業による緩衝帯整備を実施した自治体は約6割であり、整備後の維持管理は集落住民自身が行うことなども影響している可能性が示唆された。
森林環境の維持増進を目的とした府県の独自課税(県・環境税)に着目し、その財源が野生動物保護管理の全体像で占める位置を解明すべく、県・環境税を導入している全37府県のレビューと4県の担当者への聞き取り調査を行った。結果、18県で野生動物保護管理に関する事業に県・環境税を活用しており、個体数管理、被害管理、生息環境管理、その他の幅広い領域で活用されていることが判明した。また4県への聞き取り調査では、野生動物保護管理において国による交付金では支援されない領域について、各県が県・環境税を財源として専門指導員の配置など新しい事業や,特定鳥獣管理計画策定に関わる調査等、他の予算ではまかなうことができない事業に取り組むことができるようになったことが明らかとなった。
また県・環境税を活用した、基礎自治体での獣害対策としての里山林整備にどのような効果をもたらしているのかを明らかにすることを目的に調査を行い、事例とした石川県では2020年度までの5年間で県内の50地区でイノシシやツキノワグマを対象として、集落周辺の過密化した里山林で集落沿いに間伐や藪の刈払いによる緩衝帯整備が実施されていた。これらの緩衝帯整備により野生動物の出没抑制の効果が確認されていること、その一方で当事業による緩衝帯整備を実施した自治体は約6割であり、整備後の維持管理は集落住民自身が行うことなども影響している可能性が示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K15621
- 体系的課題番号 : JP20K15621
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
農村計画学会論文集 3(1) 57-64 2023年6月25日 査読有り筆頭著者
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日本森林学会誌 104(4) 229-234 2022年8月1日 査読有り筆頭著者
講演・口頭発表等
2-
第134回 日本森林学学会大会 企画シンポジウム「ポスト2020生物多様性枠組(GBF)における保全と利用の相克と科学政策対話の役割」 2023年3月26日
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第27回「野生生物と社会」学会 2022年10月29日