2017年3月
伊藤道郎の日本を題材とした舞踊表象(1918-1919)―山田耕筰との協働的創作活動を中心に―
音楽文化学論集
- 巻
- 号
- 第7号
- 開始ページ
- 37
- 終了ページ
- 47
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化学専攻博士後期課程研究論文集
1918~1919年にニューヨークで活躍した舞踊家・伊藤道郎と米国滞在中の作曲家・山田耕筰による協同的創作活動の詳細を明らかにした。当時の米国の芸術界でオリエンタリズム的な他者の視線を意識し、伊藤は「日本文化」「東洋趣味」を象徴する歌舞伎舞踊、剣舞、詩吟、祭礼の芸能(すなわち民俗芸能)を積極的に取り入れ、創作舞踊を次々展開し成功を収めた。本稿では、その詳細を調査し、伊藤と山田が日本民俗芸能的題材のみならず、アメリカ人の好みに合わせた大胆かつ素朴で簡素な身体表現と西洋音楽を巧みに組み合わせることで、新たな「東西文化の融合」という文化的イメージを、ニューヨークの舞踊・音楽空間において創出したことを論じた。