MISC

2015年1月

疾患の病因と病態 COPD病態とビタミンC

Annual Review呼吸器
  • 小池 建吾

2015
開始ページ
73
終了ページ
79
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)中外医学社

chronic obstructive pulmonary disease(COPD)は,死因別死亡率の上位に位置する疾患にもかかわらず,有効な治療法が少ないのが現状である.近年,喫煙から肺を保護する可能性があるとして,強力な抗酸化物質であるビタミンCが注目されている.妊婦喫煙者において,ビタミンC投与はプラセボ群と比較して,新生児の肺機能を有意に改善すると報告されており,成人においても呼吸機能の低下とビタミンCの摂取量に負の相関があると報告されている.また,ビタミンC合成能を有さないsenescence marker protein-30ノックアウト(SMP30KO)マウスを用いた実験結果から,ビタミンC不足は喫煙による肺気腫発症リスクであり,ビタミンCは肺気腫の治療にも有用である可能性が示唆されている.SMP30KOマウスのようなモデル動物を用いた基礎研究やさらなる臨床研究によって,ビタミンCのCOPD治療効果やタバコ煙によるCOPD発症機構が解明されることが期待される.(著者抄録)

ID情報
  • 医中誌Web ID : 2015249203

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