MISC

2013年7月

TMSによる脳波位相同期が示す視覚・聴覚ワーキングメモリの脳リズムネットワーク

信学技報
  • 川崎真弘
  • ,
  • 北城圭一

113
128
開始ページ
67
終了ページ
72
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
一般社団法人電子情報通信学会

ワーキングメモリのイメージ操作には、主に中央実行系の役割を担うとされる前頭連合野とイメージを保持する各感覚野の同期によるネットワークが重要な役割を担うことが知られている。しかしこのネットワーク内における各脳部位間の因果関係は明らかではない。そこで本研究では、視覚または聴覚ワーキングメモリ課題時に前頭連合野、視覚野、聴覚野を経頭蓋磁気刺激(TMS)して、その際の脳波の位相同期の変化を調べた。その結果、視覚、聴覚イメージ操作時に前頭連合野と各感覚野を刺激するとそれぞれ視覚野、聴覚野へのシータ波(3-8Hz)の位相同期が増加した。このシータ波の位相同期の増加は感覚野を刺激した時に、前頭を刺激した時に比べ、多く早く観測された。以上の結果は、イメージ操作には前頭連合野から各感覚野へのシータ波の位相同期およびそれに伴ったボトムアップ信号からトップダウン信号の情報流が関係する可能性を示唆する。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009778561
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10487237
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/024744080
ID情報
  • ISSN : 0913-5685
  • CiNii Articles ID : 110009778561
  • CiNii Books ID : AN10487237

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