コミュニケーション時に、我々の行動は社会的な相互作用によって他者の行動と同期することがある。この行動リズムが同期した時には脳波リズムも同期するのだろうか?そこで本研究では、2者の交互タッピング時に同時計測した脳波データを周波数解析した。課題ではタッピングの間隔に注目し、2名の被験者が協調することを目的として視覚刺激をフィードバックした。また、一定の間隔でタッピングするPCを相手に統制課題を行った。行動結果から2者の同期率を算出し2群に分けた。脳波解析の結果、タッピング前後で運動野のβ波(15-30Hz)とα波(10Hz)の振幅が変化し、この2つのリズムの時間間隔がパフォーマンスに相関した。またβ波は2者間で負の相関をするのに対して、α波は同期する2者間では正の相関を示した。以上のような脳波リズムの階層構造が行動リズム同期を決定することを示唆した。