2018年12月
歯科治療時の連携技術向上を目的とした視線動画の活用
日本総合歯科学会雑誌
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- 巻
- 10
- 号
- 1
- 開始ページ
- 11
- 終了ページ
- 21
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本総合歯科学会
今回、術者と診療補助者の連携技術を修得するために術者の視線を示す動画(以下、視線動画と略す)を用いた実習を考案し、連携技術の向上への効果について検証した。研修歯科医2名を1組とし、一方を術者、他方を診療補助者とした。術者は視線解析装置を装着し模型歯にコンポジットレジン(以下、CRと略す)修復を行った。修復中に記録した術者の視線動画を両者に見せ、術者ができるだけ患歯を見て診療するという点で振り返りを行った。その後2回目のCR修復を行い再び視線動画を記録した。各視線動画から、術者がCR修復中に患歯を注視している時間の割合、患歯から視線をはずした回数について被験者に対し評価を行った。5組計10名に対し実習を行い比較検討した結果、患歯を注視する時間の割合の中央値(25パーセンタイル〜75パーセンタイル)は1回目49.98%(43.35〜61.61)に比べ2回目98.94%(94.10〜99.70)は有意に増加した(p<0.01)。また、患歯から視線をはずす回数の中央値は1回目14.00回(12.00〜17.00)に比べ2回目2.50回(6.00〜1.00)は有意に減少した(p<0.01)。これらの結果は術者と診療補助者の連携技術の向上が主な原因の一つであると考えられた。CR修復操作中の術者の視線動画を振り返りに用いる本手法は、術者-診療補助者間の連携を指導する上で有用であった。(著者抄録)
- ID情報
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- eISSN : 2189-938X
- 医中誌Web ID : 2019159033