2019年11月
遡河性魚類からの栄養塩還元速度のモデル化と河川水質への影響評価
土木学会論文集B1(水工学)
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- 巻
- 75
- 号
- 2
- 開始ページ
- I_535
- 終了ページ
- I_540
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
河川水温の変化が遡河性魚類の腐敗に伴う栄養塩の還元量と河川の水質に及ぼす影響を実験的に検討した.道東地方の遡河性魚類として資源量の多い魚種の一つであるカラフトマスOncorhynchus gorbuschaを対象とし,遡上時期の10~11月の河川水温を想定して遡上後の腐敗に伴う栄養塩の還元速度の実験を行った.実験条件として魚体の部位,性別,河川水と蒸留水,および水温の違いを考慮した.その結果,温度が高い条件でNH4-NやPO4-Pの溶出速度が大きく,部位や性別も還元速度への影響が認められた.1968~2017年の50年間における河川水温と河川流量の変化に基づいて推定した結果,カラフトマスの死骸からのNH4-Nの還元量は最大40%増加していることが明らかとなった.