2021年12月
AYA世代に生じた滑膜肉腫の2症例
頭頸部癌
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 47
- 号
- 4
- 開始ページ
- 400
- 終了ページ
- 405
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本頭頸部癌学会
思春期・若年成人(AYA)世代の頭頸部悪性腫瘍手術では機能温存が重要である。AYA世代の頭頸部原発滑膜肉腫の2症例を報告する。【症例1】18歳男性。CTで下咽頭輪状後部を基部とする長径135mmの腫瘤を認めた。生検で悪性が疑われ、喉頭温存し下咽頭腫瘍切除術、両頸部郭清術、遊離空腸再建術を施行した。術後滑膜肉腫の診断で補助化学療法を施行したが、頸部再発と肺転移のため術後3年半で原病死した。【症例2】15歳女性。CTで右副咽頭間隙に長径95mmの腫瘤を認めた。右内頸動脈との癒着を伴う傍神経腫が疑われ腫瘍摘出術を施行した。右内頸動脈は温存した。術後滑膜肉腫の診断で補助化学療法を施行したが、頭蓋底再発、骨転移および髄膜播種のため術後5年半で原病死した。滑膜肉腫の治療の第一選択は手術だが、上記2症例ではより広い安全域の必要性が示唆された。AYA世代での術式の選択は難しく今後の症例の蓄積が望まれる。(著者抄録)
- ID情報
-
- ISSN : 1349-5747
- eISSN : 1881-8382
- 医中誌Web ID : 2022073358