2019年4月 - 2022年3月
放射線性顎骨壊死モデルの確立とスタチンの血管新生・骨形成作用による予防・治療戦略
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
口腔癌において、放射線治療は機能と形態温存の面で優れた治療法である。しかし、その晩期有害事象として放射線性顎骨壊死がある。放射線性顎骨壊死の動物実験モデルについては、幾つかの論文があるが、骨密度の減少や組織検査による破骨細胞の増加と骨芽細胞の減少をエンドポイントとして評価しているだけで、臨床例を模倣した骨露出を伴う放射線性顎骨壊死をエンドポイントとして評価した論文はない。
そこで、本研究では、「放射線照射」と「抜歯」により骨露出を伴う放射線性顎骨壊死モデルの確立を目指す。メイヨークリニックと UCLAから、ラットに 20-30Gyの照射と抜歯を行い、放射線性顎骨壊死をμCTと病理組織学的に評価した報告がある。これらの報告はすべて高線量率 Ir-192 を用いたRALSによるγ線照射である。しかし、頭頸部癌に対する放射線治療のほとんどがX 線を用いて行われているため、実臨床と同様の条件で実験を行うことに意義があると考える。 そこで、(i)X線を用いた外部照射後に、ラットの抜歯を行うこと、および(ii)骨露出の有無により放射線性顎骨壊死を評価することで、新たな放射線性顎骨壊死モデルの確立を目指している。このモデルを用いて、放射線性顎骨壊死の予防法と治療法を開発する。すなわち、スタチンの経口投与による放射線性顎骨壊死の予防実験と治療実験、スタチンの局所投与による放射線性骨顎壊死の予防実験と治療実験まで行う予定である。以上の予防法や治療法の有用性が確認され、臨床応用が可能となれば、患者のQOLが向上するだけでなく、放射線治療の適応の拡大がはかられる。さらに、医療経済学的にも有意義である。
そこで、本研究では、「放射線照射」と「抜歯」により骨露出を伴う放射線性顎骨壊死モデルの確立を目指す。メイヨークリニックと UCLAから、ラットに 20-30Gyの照射と抜歯を行い、放射線性顎骨壊死をμCTと病理組織学的に評価した報告がある。これらの報告はすべて高線量率 Ir-192 を用いたRALSによるγ線照射である。しかし、頭頸部癌に対する放射線治療のほとんどがX 線を用いて行われているため、実臨床と同様の条件で実験を行うことに意義があると考える。 そこで、(i)X線を用いた外部照射後に、ラットの抜歯を行うこと、および(ii)骨露出の有無により放射線性顎骨壊死を評価することで、新たな放射線性顎骨壊死モデルの確立を目指している。このモデルを用いて、放射線性顎骨壊死の予防法と治療法を開発する。すなわち、スタチンの経口投与による放射線性顎骨壊死の予防実験と治療実験、スタチンの局所投与による放射線性骨顎壊死の予防実験と治療実験まで行う予定である。以上の予防法や治療法の有用性が確認され、臨床応用が可能となれば、患者のQOLが向上するだけでなく、放射線治療の適応の拡大がはかられる。さらに、医療経済学的にも有意義である。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K10268
- 体系的課題番号 : JP19K10268