共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2026年3月

組織学習のエコロジーと組織インテリジェンスに関する理論的・実証的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H00741
体系的課題番号
JP21H00741
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
17,030,000円
(直接経費)
13,100,000円
(間接経費)
3,930,000円

本研究の目的は,組織の安定と変化のダイナミクスを説明する根源的概念として重要な組織学習論をめぐり,単純化されてきた機能主義的アプローチの限界を克服し,組織インテリジェンスを追求する理論を構築することにある.組織学習とインテリジェンスに関するこうした研究を遂行するためには,近年勃興している組織ルーティンの遂行性アプローチやアクター・ネットワーク理論,制度派組織論,エスノメソドロジーなどの組織理論の広い範囲に渡る諸研究成果との関係を再構築する必要があり,特にそうした諸理論を,組織の安定と変化,知識に対するより深い理解と新たな知識の開発,デザインされた人工物が織りなす人間行動と社会の経験的研究といった,組織インテリジェンスに豊かなインプリケーションを持つ理論として刷新する必要がある.
そのため研究期間の初年度となる2021年度は,当初の計画通り,組織学習のエコロジーと組織インテリジェンスに関する基礎的な文献レビューを主とした研究を実施するとともに,研究体制を確立してきた。具体的には,研究分担者である松嶋は,最新の概念である社会物質性概念を通じて組織エコロジーの理論構築を,吉野は,組織ルーティンの硬直性や逆機能を指摘していた伝統的な官僚制理解を超えて,近年の顕示的/遂行的ルーティン概念や組織ルーティンのパターニング概念などを検討してきた.山内は,デザイン科学を再訪しつつ,近年勃興しているデザイン思考の理論的位置づけをレビューしてきた.研究代表者である桑田は,研究分担者が取り組む最新研究に対して大局的な理論的含意を与えてつつ,学習概念のレビューと技術としてのAIとの関係などを検討してきた.
こうした個別の研究を基本とし,オンラインによる研究会や研究代表者を中心とする交流を通じて文献レビューの方向性をすり合わせてきており,すでに組織学会などでその一端を発信してきた.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H00741
ID情報
  • 課題番号 : 21H00741
  • 体系的課題番号 : JP21H00741

この研究課題の成果一覧

論文

  5

MISC

  2

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  2