共同研究・競争的資金等の研究課題

1992年 - 1992年

中性子小角散乱による好熱菌ATP合成酵素の構造と機能の研究

文部科学省  科学研究費補助金  一般研究(C)

課題番号
04680273
体系的課題番号
JP04680273
担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

第2次分での交付であったため、試料作成と一回の実験を行ったのみである。以下に、その概要をのべる。1.試料作成について好熱菌ATPaseのα、βの各サブユニットを発現させるように遺伝子を組換えられた大腸菌を軽水培地及び重水培地で培養することで、通常のサブユニットに加え重水素化されたサブユニットも大量に得た。それらのサブユニットを再構成することにより、重水素化されたサブユニットを含む好熱菌ATPaseの活性をもつ六量体α_3β_3を得た。それらは重水素化された各サブユニットをαd,βdとするとき、次の四種類の六量体α_3β_3、αd_3β_3、α_3βd_3、αd_3βd_3である。2.実験について中性子小角散乱の実験は、東海村の日本原子力研究所の改造3号炉に設置された東京大学物性研究所の装置を用いて行った。まず予備的な実験として、得られるデータの精度がどの程度かを把握するために、通常の軽水素のままの好熱菌ATPase(α_3β_3)のMg-ATPの存在下および存在しない状態で、測定を行った。その結果、過去の中性子及びX線小角散乱の実験で得られたデータより非常に質が良く、より高角度側の散乱強度も精度良く測定ができた。これにより各状態での構造をより詳しく調ベることが可能と思われ、現在このデータの解析中である。今後、重水素化された試料等を用いて調べることで、目的とする好熱菌ATPaseの機能と構造の関係を明らかにしていく予定である。

リンク情報
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/04680273.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-04680273
ID情報
  • 課題番号 : 04680273
  • 体系的課題番号 : JP04680273