共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

小児期における口腔機能発達評価指針作成のための調査研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K09869
体系的課題番号
JP18K09869
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本年度は前年度に引き続き、健康成人における口唇閉鎖力・舌圧の測定値と歯列模型から得られた三次元データを用いて、評価手法を検討することを目的として口腔の形態と機能との関連性に関する詳細な分析を行った。
歯列の健全な若年成人102名(男性62名26.2±3.3歳、女性40名24.4±3.6歳)を対象とした。事前に研究内容を説明し、同意を得た対象者に口唇閉鎖力と舌圧の測定を行い、上下顎歯列模型を採得したのち、模型の三次元的形態計測を行った。口唇閉鎖力、舌圧の測定値と得られた三次元データにおける各々の模型計測値との相関、各測定値の男女差、模型計測値について検討した。以下のような結果が得られた。
1)口唇閉鎖力と舌圧に関して、男性では明らかな相関は認められず、女性では有意な正の相関が認められた。2)口唇閉鎖力、舌圧と各計測項目に関して、男性では、舌圧と上顎第一大臼歯近心咬頭間距離・口蓋側最深部間距離に有意な正の相関が認められた。女性では、口唇閉鎖力、舌圧ともにいずれの計測項目との相関関係は認められなかった。3)男性においては、舌圧の分布に正の相関を認めた模型上の計測項目は、上顎犬歯口蓋側歯頚部最深部間距離、上顎第一大臼歯近心咬頭間・口蓋側最深部距離となった。口唇閉鎖力にはいずれの計測項目も相関が認められなかった。4)女性では、舌圧の分布に正の相関が認められた計測項目は前後径のみで、口唇閉鎖力にはいずれの計測項目も相関は認められなかった。5)舌圧、口唇閉鎖力、上顎の第一小臼歯口蓋側最深部距離、第二大臼歯歯間距離、第一大臼歯歯間距離、口蓋深さ、口蓋容積、口蓋表面積に有意な男女差を認めた。6)歯列模型の三次元データにより、成長が終了し歯列咬合が安定した成人期前期において口蓋の容積を含めた詳細な計測が可能であった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K09869
ID情報
  • 課題番号 : 18K09869
  • 体系的課題番号 : JP18K09869

この研究課題の成果一覧

論文

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