講演・口頭発表等

2021年9月25日

家族歴のある顕微鏡的多発性血管炎に対しステロイドパルス、血漿交換が有効であった1例

第51回日本腎臓学会東部学術大会
  • 塚田 剛
  • ,
  • 井上晃平
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  • 岩瀬茉未子
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  • 永井 恵
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  • 植田敦志
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  • 斎藤知栄
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  • 臼井丈一
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  • 山縣, 邦弘

開催年月日
2021年9月25日 - 2021年9月26日
記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)
開催地
横浜、WEB

【症例】61歳女性【主訴】紫斑、浮腫【現病歴】X年2月左下腿に紫斑が出現、4月に両下腿浮腫も認めた。近医でCre3.79mg/dLの腎機能障害と血蛋白尿を認め当科紹介受診しCre4.22mg/dL、UP4.2g/gCre、尿RBC50-99/Fと急速進行性糸球体腎炎を呈しており同日入院。【家族歴】母:顕微鏡的多発性血管炎【入院後経過】単純CTで両側腎腫大を認めた。第3病日に腎生検を施行、同日MPO-ANCA強陽性の報告があり顕微鏡的多発性血管炎(MPA)疑いとして第4-6病日にステロイドパルス療法(mPSL1000mg×3日)を、後療法としてPSL40mg/日(0.8mg/kg/日)で加療した。腎病理でほぼすべての糸球体に細胞性半月体形成、壊死性血管炎を認めMPAと確定診断した。第10-27病日にかけ血漿交換を計7回施行した。第27病日にはCreは4.42mg/dLから1.98mg/dLに、BVASは23点から8点に、MPO-ANCAは>300EUから2.5EUに各々改善した。【考察】抗好中球細胞質抗体関連血管炎の有病率には集団差があることから遺伝的背景の違いが存在すると想定され候補遺伝子の解析が施行されてきた。MPAについては最も確立された遺伝因子としてヒト白血球型抗原が指摘されアジア系集団ではDRB1*09:01、DRB1*11:01がリスクアリルとする報告があり本症例と併せて考察