共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

非接触型指静脈認証の適用範囲拡大に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H02386
体系的課題番号
JP20H02386
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
16,640,000円
(直接経費)
12,800,000円
(間接経費)
3,840,000円

2020年度の研究(2021年9月末まで)は、透過型の非接触静脈撮像システムの課題を整理し、様々な撮影環境に対しても安定して指静脈パターンが取得できるよう、撮像光学系の改良を行った。
これまで我々が提案している透過型非接触静脈認証システムでは、背景光源が写りこんでいる場合に照合精度が低下する現象が見られた。この影響を取り除くためは、背景光源が写りこんでいる静脈画像から血管の存在している指領域のみを抽出し、指領域のみで照合を行う手法が有効であると考えられる。しかし手振りした指を動画像で撮影する本提案システムでは、手を動かすことで照明と指との相対位置が変化するため、フレームごとの輝度情報が大きく変動してしまい、輝度情報を利用した画像処理では十分な精度での指領域抽出を行うことが難しかった。一方、人間の肌色は自然界にはほとんど存在しない色であるため、撮影画像から肌色を検出できれば、容易に指領域を抽出できると考えられる。そこで本研究では、肌色を検出するための白色光源およびRGBカメラを設置し、肌色を含むカラー画像と静脈パターンを同時に撮影する撮像システムを開発した。
実験システムでは、白色光源は近赤外LEDを照射する方向とは反対方向から照射し、近赤外光は透過、白色光は反射となるよう光学系を構築した。また、市販のRGBカメラは近赤外カットフィルターが挿入されており、近赤外光に感度を持たないことが一般的であるが、本実験で用いるRGBカメラは近赤外カットフィルターを取り外し、近赤外領域にも十分な感度をもつように改造した。この撮像システムで撮影した画像から肌色領域を抽出し、この抽出領域のRバンド画像を用いることで指領域のみの静脈パターンを抽出することができた。この領域抽出によって、背景光の影響による照合精度の劣化が改善した。
上記の研究成果については、BISC2021にて発表を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H02386
ID情報
  • 課題番号 : 20H02386
  • 体系的課題番号 : JP20H02386