MISC

2004年5月

1/1.8縮尺部分モデルによる原子炉容器内ガス巻き込み特性の評価, ガス巻き込み現象の把握

JNC TN9400 2004-067
  • 木村 暢之
  • ,
  • 飛田 昭
  • ,
  • 小林 順
  • ,
  • 中山 王克
  • ,
  • 伊藤 真美*
  • ,
  • 上出 英樹

開始ページ
48
終了ページ
記述言語
日本語
掲載種別
機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等

核燃料サイクル開発機構ではFBR実用化戦略調査研究の一環として、ナトリウムを冷却材とした高速炉の検討を行っている。その設計では、経済性向上を図るためシステムのコンパクト化を図っており、炉容器径に比較して炉出力が増加している。このため冷却材の流速が上昇し、液面からのガス巻き込みが懸念されている。そこで、炉心出口からの流れが直接液面に到達しないように、ディッププレート(D/P)と呼ぶ水平板を液面の下方に設置することとしている。 このような液面からのガス巻込み防止を含む炉上部プレナム内の流況を適正化することを目的に、主な構造物を全て模擬した1/10縮尺モデルを用い、炉上部プレナム水流動試験を実施している。しかし、ガス巻込み現象に関しては実機に対する試験体の縮尺比が小さいほど、発生限界を非保守的に評価する懸念がある。そこで、縮尺比1/1.8の水流動試験体を製作し、ガス巻込み現象を把握した。1/1.8縮尺水流動試験体では、ガス巻込み発生の要因となる下降流速が顕著な出口配管(ホットレグ配管)を中心とする90度セクター、D/Pから液面までをモデル化した。D/P隙間部の流れ、およびD/P上部の周方向流れは、独立して流量を設定できるようにし、ガス巻込み発生限界をメカニズムを含めて把握できる構造とした。モデル境界の流速条件は、1/10縮尺炉上部プレナム試験により得られた結果を実機に外挿することにより与えた。ガス巻込みの発生は可視化によって確認した。 設計形状の体系(D/Pを2段で構成)では、定格時に予測される流速条件で、D/Pからの液位が定格時の液位の4\%から100\%の範囲でガス巻き込みの発生は見られなかった。D/Pを1段とした場合との比較から、D/Pを2段にすることで局所的な下降流速のピークを低減する効果があることがわかった。 以上により、本体系の原子炉容器についてガス巻込み抑制の見通しが得られた。

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URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?4037627

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