2011年8月
潰瘍性大腸炎の治療経過中に骨髄異形成症候群を発症しシクロスポリンが奏功した1例
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology
- 巻
- 108
- 号
- 8
- 開始ページ
- 1405
- 終了ページ
- 1412
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11405/nisshoshi.108.1405
- 出版者・発行元
- The Japanese Society of Gastroenterology
症例は64歳,男性.前医にて全大腸炎型潰瘍性大腸炎(UC)重症と診断され,経口PSL 45mg,5-ASA 3gを併用し治療開始.高アミラーゼ血症をきたしPSLを減量されたところ,20mg/日の時点で病状の再燃と血小板減少が出現し,その後大量下血による出血性ショックをきたし搬送された.サイトメガロウイルス(CMV)antigenemiaに対する抗ウイルス療法と,UCに対するシクロスポリン(CsA)持続静注にて下血も改善し,血小板も改善傾向であった.その後急性腎不全から心不全をきたし,一時集中治療室管理となるも全身管理にて改善した.経過中CsA濃度低下とともに白血球減少が出現,骨髄生検にて低形成骨髄で,かつ,2血球系統以上の異型細胞を認め,芽球が5.1%を占めることから骨髄異形成症候群(MDS;RAEB-1)と診断された.CsAの血中濃度維持によりUCとMDSの病状はともに安定した.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11405/nisshoshi.108.1405
- ISSN : 0446-6586
- CiNii Articles ID : 10030298114
- identifiers.cinii_nr_id : 9000240190218
- PubMed ID : 21817844
- SCOPUS ID : 80052437297