共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

ナノ転写装置を介したクロマチンの力感知メカニズムの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K20180
体系的課題番号
JP20K20180
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

クロマチンは,細胞分化・細胞老化・細胞増殖など種々の細胞機能の発現において時空間的に制御される.近年の研究において,クロマチンが力を感知するメカノセンサとしての機能を有すること,ひいては,力学負荷に対する生体組織の機能的適応に重要であることが示唆されているが,クロマチンが力を感知する原理は未だ解明されていない.
本研究では,クロマチンに存在するナノ転写装置の構造変化およびDNAのナノスケールの曲率の変化に着目し,それらの細胞・in vitro 再構成により,以下の仮説を検証している.
(1)力のもとでナノ転写装置が構造変化する.(2)力のもとでDNAの曲率が変化する.
本研究が達成された暁には,機械的な力を利用して細胞の運命決定を行う「メカノジェネティクス」分野の創設,および,機械的な力が老化・がん化に及ぼす影響の解明など,高齢化社会を支えるバイオメカニクス・再生医工学の研究において大きな波及効果が期待される.
令和2年度の検討において、申請者は、細胞内におけるゲノムDNA自体のありのままの動態を理解するため、1本鎖DNAの細胞内観察手法の提案、および、ゲノムDNAの損傷-修復プロセスに着目し、研究を進めた。さらに、ゲノムDNAの構造変化が生体組織の恒常性に及ぼす効果を理解するため、その準備として、老化組織を対象とした、組織内部の微視的構造観察を行った。さらに、ゲノムDNAの構造変化が細胞により機能発現を導くメカニズムを探求するため、DNAに生じるトルクに着目し、その遺伝子発現への効果を確認した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K20180
ID情報
  • 課題番号 : 20K20180
  • 体系的課題番号 : JP20K20180