モバイルルータや,スマートフォンのテザリング機能を用いた移動無線LANシステムが増加し,多数に無線LANが密接して利用される機会が増えてきた.このような環境下では,多くの端末,特にAP同士が競合し,フレーム衝突率が増加するという問題がある.我々はこれまで多数端末競合問題を解決するためにランダムAIFSN(arbitration interframe space number)方式について検討してきた.本稿では,複数の無線LANが存在する環境においてランダムAIFSN方式がスループットを改善することをシミュレーション評価により明らかにした.さらに,シミュレーション結果を元にした解析により,TCPフロー制御とランダムAIFSN方式の相互作用を明らかにした.