共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

トリウム229極低エネルギーアイソマーの解明と基礎物理への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H01230
体系的課題番号
JP18H01230
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

高性能標的と改良したX線計測システムを用いて,高輝度放射光施設SPring-8において実験を遂行し,第二励起準位の核共鳴散乱を観測し,トリウム229を基底状態から能動的に励起することに成功した。これにより,第一励起状態(アイソマー状態)への遷移を能動的に制御することが可能になり,アイソマーからの真空脱励起光観測への大きなステップが達成された。
【X線エネルギーモニタ】シリコン標準結晶を用いてX線のエネルギーを精密にモニタする装置(ボンド法)を産業総合研究所,理化学研究所と共同で開発し,共鳴エネルギー探索の際のエネルギースキャンにおけるX線エネルギーの不定性を0.07 eV以下に減らすことに成功した。
【トリウム229の能動的な核励起に成功】9個のAPD(アバランシュフォトダイオード)をアレイ状に配置したセンサを用いて,優れた高速応答性を確保しつつ立体角を増加させたシステム,および大阪大,理研と共同で開発したトリウム標的,および高精度エネルギーモニターを用いてSPring-8で実験を行い,第二励起準位の核共鳴散乱を観測し,その寿命を求めることに成功した。トリウム229を基底状態からX線により能動的に励起したのは世界でも初である。
【真空紫外光の観測の予備テスト】共鳴エネルギーに合わせたX線を照射することで,能動的に生成されたアイソマー状態(第一励起状態)から放出する真空紫外光の観測を開始した。標的としは真空紫外光に対して透過性のある光学結晶(トリウムをドープしたCaF2)を用いて,微小な光を集光する光学系を構築して,予備テストを行い十分な性能を発揮していることを確認した。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-18H01230/18H01230seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H01230
ID情報
  • 課題番号 : 18H01230
  • 体系的課題番号 : JP18H01230

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