2018年4月 - 2021年3月
トリウム229極低エネルギーアイソマーの解明と基礎物理への応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
高性能標的と改良したX線計測システムを用いて,高輝度放射光施設SPring-8において実験を遂行し,第二励起準位の核共鳴散乱を観測し,トリウム229を基底状態から能動的に励起することに成功した。これにより,第一励起状態(アイソマー状態)への遷移を能動的に制御することが可能になり,アイソマーからの真空脱励起光観測への大きなステップが達成された。
【X線エネルギーモニタ】シリコン標準結晶を用いてX線のエネルギーを精密にモニタする装置(ボンド法)を産業総合研究所,理化学研究所と共同で開発し,共鳴エネルギー探索の際のエネルギースキャンにおけるX線エネルギーの不定性を0.07 eV以下に減らすことに成功した。
【トリウム229の能動的な核励起に成功】9個のAPD(アバランシュフォトダイオード)をアレイ状に配置したセンサを用いて,優れた高速応答性を確保しつつ立体角を増加させたシステム,および大阪大,理研と共同で開発したトリウム標的,および高精度エネルギーモニターを用いてSPring-8で実験を行い,第二励起準位の核共鳴散乱を観測し,その寿命を求めることに成功した。トリウム229を基底状態からX線により能動的に励起したのは世界でも初である。
【真空紫外光の観測の予備テスト】共鳴エネルギーに合わせたX線を照射することで,能動的に生成されたアイソマー状態(第一励起状態)から放出する真空紫外光の観測を開始した。標的としは真空紫外光に対して透過性のある光学結晶(トリウムをドープしたCaF2)を用いて,微小な光を集光する光学系を構築して,予備テストを行い十分な性能を発揮していることを確認した。
【X線エネルギーモニタ】シリコン標準結晶を用いてX線のエネルギーを精密にモニタする装置(ボンド法)を産業総合研究所,理化学研究所と共同で開発し,共鳴エネルギー探索の際のエネルギースキャンにおけるX線エネルギーの不定性を0.07 eV以下に減らすことに成功した。
【トリウム229の能動的な核励起に成功】9個のAPD(アバランシュフォトダイオード)をアレイ状に配置したセンサを用いて,優れた高速応答性を確保しつつ立体角を増加させたシステム,および大阪大,理研と共同で開発したトリウム標的,および高精度エネルギーモニターを用いてSPring-8で実験を行い,第二励起準位の核共鳴散乱を観測し,その寿命を求めることに成功した。トリウム229を基底状態からX線により能動的に励起したのは世界でも初である。
【真空紫外光の観測の予備テスト】共鳴エネルギーに合わせたX線を照射することで,能動的に生成されたアイソマー状態(第一励起状態)から放出する真空紫外光の観測を開始した。標的としは真空紫外光に対して透過性のある光学結晶(トリウムをドープしたCaF2)を用いて,微小な光を集光する光学系を構築して,予備テストを行い十分な性能を発揮していることを確認した。
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- 課題番号 : 18H01230
- 体系的課題番号 : JP18H01230
この研究課題の成果一覧
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メディア報道
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科学新聞社 科学新聞 2019年9月20日 新聞・雑誌
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KSB瀬戸内海放送 KSBスーパーJチャンネル 2019年9月13日 テレビ・ラジオ番組
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毎日新聞社 毎日新聞 2019年9月12日 新聞・雑誌
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財経新聞社 財経新聞 2019年9月12日
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山陽新聞社 山陽新聞 2019年9月12日 新聞・雑誌
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日刊工業新聞社 日刊工業新聞 2019年9月12日 新聞・雑誌
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日本経済新聞社 日本経済新聞 2019年9月12日 新聞・雑誌
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NHK岡山放送局 おはよう岡山 2019年9月11日 テレビ・ラジオ番組