2003年 - 2007年
ミューオン物理学の新展開を狙うスーパー・ミューオン・ビームの研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術創成研究費 学術創成研究費
現在利用できるミューオン・ビームでは、その強度や性質はともに不十分であり、実験条件に厳しい制約を課している。そこで、我々は、ミューオン科学を飛躍的に発展させるために、ミューオン・ビームの強度を従来の約1万倍程度に増加し、かつ位相空間回転法という高輝度化の手法を施すことで、元々広いエネルギー分布を持つミューオン・ビームをエネルギーの揃った、いわゆる「スーパー・ミューオン・ビーム」という夢のミューオン・ビームを実現することを目指している。特に、大阪大学グループは、ミューオンを用いた素粒子物理学の研究を推進しており、本研究で開発されるスーパー・ミューオン・ビームを使って、荷電レプトンのレプトンフレーバー保存の破れを現在の実験精度を10^6倍ほど上回る精度で探索するPRISM/PRIME実験などを計画している。
本学術創成研究では、位相空間回転法という新しい高輝度化手法に必要な要素技術開発と同手法の原理検証を目的とした。まず、本手法に不可欠である超高電場勾配高周波加速システム、及び大口径固定磁場強収束型ミューオン蓄積リングの開発に成功した。さらに、これらを組み合わせた位相空間回転試験用リングを建設し、位相空間回転の原理実証実験を行った。これにより位相空間回転法に必要な基礎技術の開発が完了し、このリングでの試験により設計通りに荷電粒子が高輝度化されることを実証された。
これにより、次世代ミューオン科学の計画が大きく推進した。また、新しく考案したα線によるビーム光学評価手法も、加速器性能を簡便に正確に調べる新しい手法として高い評価を得た。これらの研究開発は、ミューオン科学の発展のみならず、将来の加速器計画(たとえば、ニュートリノ・ファクトリ計画やミューオン・コライダ計画など)への波及効果も大きく、多大な技術的貢献をなすものであり、本研究計画の成功は広く賞賛されている。
本学術創成研究では、位相空間回転法という新しい高輝度化手法に必要な要素技術開発と同手法の原理検証を目的とした。まず、本手法に不可欠である超高電場勾配高周波加速システム、及び大口径固定磁場強収束型ミューオン蓄積リングの開発に成功した。さらに、これらを組み合わせた位相空間回転試験用リングを建設し、位相空間回転の原理実証実験を行った。これにより位相空間回転法に必要な基礎技術の開発が完了し、このリングでの試験により設計通りに荷電粒子が高輝度化されることを実証された。
これにより、次世代ミューオン科学の計画が大きく推進した。また、新しく考案したα線によるビーム光学評価手法も、加速器性能を簡便に正確に調べる新しい手法として高い評価を得た。これらの研究開発は、ミューオン科学の発展のみならず、将来の加速器計画(たとえば、ニュートリノ・ファクトリ計画やミューオン・コライダ計画など)への波及効果も大きく、多大な技術的貢献をなすものであり、本研究計画の成功は広く賞賛されている。
- ID情報
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- 課題番号 : 15GS0211
- 体系的課題番号 : JP15GS0211
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
International Journal of Modern Physics A 26(10n11) 1822-1832 2011年4月30日 査読有り筆頭著者
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Journal of the Korean Physical Society 54(1 PART 1) 323-327 2009年
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Nuclear Physics B - Proceedings Supplements 149 280-282 2005年 査読有り筆頭著者