共同研究・競争的資金等の研究課題

2007年 - 2009年

脳血管障害治療に有効な新しい作用機序を有する脳保護薬の開発

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(B))  基盤研究(B)

課題番号
19390150
体系的課題番号
JP19390150
資金種別
競争的資金

新規カルモデュリン阻害剤DY-9836の脳血管保護作用のメカニズムについて追究した。マイクロスフェア脳塞栓モデルラットでは脳虚血後、脳毛細血管内皮細胞において内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の誘導が起こり、慢性期においてはべータアミロイド蛋白質の毛細血管での蓄積が見られた。特に、誘導されたeNOSはアンカップリング状態に陥っており、一酸化窒素に代って障害性スーパーオキサイドが産生されることを見いだした。DY-9836はeNOSによるスーパーオキサイドの産生を阻害することから、脳血管保護作用の新しい作用機序と考えられる。次に新規バナジウム化合物であるVO(OPT)の循環動態に対する影響をラットを用いて検討した。最大の脳保護効果を示す1mg/kg腹腔内投与では平均血圧、心機能には影響せず重篤な副作用も見られなかった。嗅球摘出マウスでは中隔野のアセチルコリン神経が変性することからアルツハイマー病モデルとして有用である。このアセチルコリン神経変性は海馬において顕著であり、嗅球摘出マウスにおける認知機能低下に関与すると考えられる。VO(OPT)(1mg/kg)の慢性投与は中隔野アセチルコリン神経変性を抑制して、同時に認知機能低下を有意に改善した。最後に、脳虚血マウスを用いて、海馬歯状回の顆粒細胞下層(SGZ)における神経新生に対する効果を検討した。VO(OPT)(1mg/kg)の慢...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/19390150
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19390150
ID情報
  • 課題番号 : 19390150
  • 体系的課題番号 : JP19390150