2017年4月 - 2020年3月
鉄鋼の金属結晶微粒子化と延性向上化の最適化に関する沸騰熱伝達的検討:液膜クエンチ
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目的は、沸騰冷却分野の面より、次世代鉄鋼材料創製技術を構築するものである。すなわち、昨今広く利用できるようになったMEMS技術、赤外線サーモグラフィおよび高速度ビデオカメラを利用して、工業上頻繁に遭遇する高液サブクール度条件(液温約30℃以上)での、高温壁面上の濡れ開始瞬間の温度条件と局所濡れ域の熱流束(熱伝達率)の定量化と相関式化である。加えて、高液サブクール度条件での高い壁面温度条件での膜沸騰崩壊の物理的妥当性を有するモデルと同条件下の遷移沸騰熱伝達のモデルの構築も行う。
第2年度の平成30年度は、透明サファイアを加熱面とした前年度の実験結果、すなわち透明サファイア加熱面の裏面からの高速度ビデオカメラの直接観察結果を詳細に画像解析した。
実験の詳細は、600℃に加熱した透明サファイア伝熱面を直径3mmのノズルの水ノズルで非定常冷却をし、この時の冷却時の様相を、赤外線サーモグラフィ(温度計)および高速度ビデオカメラにて計測し、濡れ開始条件を直接定量化するものである。冷却方法は、液ノズルによるラミナー冷却であり、実験条件は、液サブクール度0~50Kである。
この結果、(1) 濡れ開始温度は、液サブクール度0, 10K条件で約400℃と、熱力学的過熱限界温度に近い、(2) 液サブクール度30, 50K条件では濡れ開始温度が約600℃と、熱力学的過熱限界温度より高い、これは透明サファイア加熱面の熱伝導率の低さ(20W/mK)と冷却速度の大きさより表面温度と裏面温度に差異があったと考えられる、(3) 固液接触線に不安定流動を観察し、その波長は0.2mmであり、ウェバー数We=約20であった、ことを明らかにした。
なお、追加実験も幾つか行った。
第2年度の平成30年度は、透明サファイアを加熱面とした前年度の実験結果、すなわち透明サファイア加熱面の裏面からの高速度ビデオカメラの直接観察結果を詳細に画像解析した。
実験の詳細は、600℃に加熱した透明サファイア伝熱面を直径3mmのノズルの水ノズルで非定常冷却をし、この時の冷却時の様相を、赤外線サーモグラフィ(温度計)および高速度ビデオカメラにて計測し、濡れ開始条件を直接定量化するものである。冷却方法は、液ノズルによるラミナー冷却であり、実験条件は、液サブクール度0~50Kである。
この結果、(1) 濡れ開始温度は、液サブクール度0, 10K条件で約400℃と、熱力学的過熱限界温度に近い、(2) 液サブクール度30, 50K条件では濡れ開始温度が約600℃と、熱力学的過熱限界温度より高い、これは透明サファイア加熱面の熱伝導率の低さ(20W/mK)と冷却速度の大きさより表面温度と裏面温度に差異があったと考えられる、(3) 固液接触線に不安定流動を観察し、その波長は0.2mmであり、ウェバー数We=約20であった、ことを明らかにした。
なお、追加実験も幾つか行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K06207
- 体系的課題番号 : JP17K06207