共同研究・競争的資金等の研究課題

1997年 - 1999年

野生ユリの遺伝的分化と保全に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 萌芽的研究  萌芽的研究

課題番号
09876009
体系的課題番号
JP09876009
配分額
(総額)
2,300,000円
(直接経費)
2,300,000円

1.これまで、従来の形態による分類では不明確であった種の類縁関係をDNAシークエンス(rDNA)を用いて明らかにしてきた。今年度は、ユリ属の中でも、特に分類上混乱をきたしていたSinomartagon節を分析した。Sinomartagon節は多系統であり、6分岐群に分かれた。そのうちのひとつの分岐群は本節の基準種L.davidiiを含んでおり、真Sinomartagon節とみなすことができたが、その他の分岐群はSinomartagon節とは明らかに系統が異なっていた。
2.rDNAを用いた系統解析では、ユリの類縁関係を明らかにすることができたが、一部の分岐については信頼性が低くかった。そこで、葉緑体のmatK領域を調査することにより、それらを明らかにすることにした。 matKより作成した系統樹では、Sinomartagon節と6b亜節の関係及びArchelirion節と6a亜節の関係はrDNAと同様であったが、Liriotypus節とL.amoenumは位置が前後した。またrDNAでは、L.henryiは6a亜節と姉妹関係にはあったが距離は大きかった。しかし、matKでは両者が明らかに近縁であることが示された。また、5c亜節に分類されるL.amoenumは、6a亜節やArchelirion節に姉妹関係であった。
3.球根のin vitro保存を行い生存率や形態の変化を調査した。in vitro保存条件下2年間、小球の形態や生育が安定しており、本保存法は遺伝資源の保存に有効である。
4.我が国に自生するヤマユリの自生地を国内5カ所(岩手、福島、新潟、長野、山梨)を調査した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09876009
ID情報
  • 課題番号 : 09876009
  • 体系的課題番号 : JP09876009