共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

近代以降の「神話」概念の包括的再検討とその社会的意義の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K00506
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本年度はまず、2018年4月に刊行された、本課題の出発点となる論集『「神話」を近現代に問う』の合評会を、2018年8月5日に開催するところから、本格的な共同研究の作業を開始した。同著の編著者・執筆者および本課題の分担者・研究協力者を中心に、今後の問題関心および前提となる研究上の意識共有の再確認を行った。とくに、各参加研究者のディシプリンに左右されがちな「神話」概念を統合的に定義することに関しては、さまざまな意見が提出されたが、排斥的な定義に固執せず、慎重に議論を重ねつつ、多様性を内包した形で進めるべきであるという点で改めて合意を得た。
また、2019年1月13日に開催された研究会では、研究協力者である里中俊介氏・上月翔太氏の両名を迎え、それぞれギリシアとローマの古典と「神話」の関係に焦点を当てたご講演を賜り、前述の合評会で明確化された問題点につき、さっそく検討する機会をもうけた。とりわけ、分担者の専門分野ではカバーし切れていない古典の知識についての知見を深める貴重な機会となったとともに、同会では学内外より今回が新規となる多様な専門の研究者の出席があり、質疑応答においてもこれらの新規参加者からの発言が活発であった。これにより、古典をあつかう研究者を中心に、さらなる研究ネットワークの形成・拡大が順調に進められている。
その他、個々の分野での代表者・分担者の活動として、各々の専門分野での学会発表・論文出版などが行われた。2018年6月に仙台にて開催された国際学会・International Association for Comparative Mythologyの大会には代表者と分担者2名が参加して研究発表を行い、比較神話学分野の国際的権威や、日本における主要な神話研究者との意見交換を実施できた。

ID情報
  • 課題番号 : 18K00506

この研究課題の成果一覧

書籍等出版物

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  • 清川祥恵, 南郷晃子, 植朗子, 野谷啓二, 上月翔太, 田口武史, 里中俊介, 山下久夫, 斎藤英喜, 藤巻和宏, 鈴木正崇, 平藤喜久子, ホセ・ルイス・エスカロナ・ビクトリア, 鋤柄史子 (担当:共編者(共編著者), 範囲:「はじめに——「人はなぜ神話〈ミュトス〉を語るのか」総論」(pp. 9-20)、第14章「マヤ神話を仕立てる——一九世紀における新大陸文明の断片と認識論的転回」翻訳(pp. 291-316)、第16章「夜を生きるパンサーの子ら——映画『ブラックパンサー』における「神話」と「黒人の生(ブラック・ライヴズ)」」(pp.339-359))
    文学通信 2022年8月 (ISBN: 9784909658852)

講演・口頭発表等

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