共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2021年3月

ケアの性質を定める心理システムの機能と発達機序の解明:二者間相互影響性に着目して

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
19J12728
体系的課題番号
JP19J12728
配分額
(総額)
2,100,000円
(直接経費)
2,100,000円
(間接経費)
0円

今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で,予定していた調査および調査に必要な講習の受講ができなかったが,限られた範囲で可能な調査を実施し,これまでの研究と会わせて博士論文を執筆した。博士論文では,私たちが普段,困っている人や立場の弱い人(子どもなど)を助ける,その行動の個人差がどのように発達し,心理社会的な側面に対してどのような影響を持ちうるのか,ということについて,合計10の個別の研究によって論じた。そのようなケアギビング行動の発達と機能の解明に向けて,とりわけ関係性という観点から実証的にアプローチすることができたことは,当該分野の研究状況に鑑みても極めて意義のあることと言える。また,相手にとって適切なケアを行うためには,二者の関係性を考慮する必要があることを示したことも,実践的に意義があると言える。方法論的な観点からも,縦断的な分析,ダイアドデータを用いた分析など,目的に適した高度な分析を行っている点で,価値があると言える。
また,今年度は,当該分野の研究に関して問題点と今後の展望を論じたレビュー論文が1編,査読論文として公刊された。この論文は,国外の研究を中心に最新の研究を網羅的に扱ったものとして,国内の研究者にとって非常に有意義なものであると考えられる。
1月には,成人のアタッチメントスタイルの測定の信頼性を得るためのトレーニングに参加した。今後1年半に渡り信頼性のテストが行われ,それと並行して成人を対象としたインタビュー調査も行なっていく計画である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19J12728
ID情報
  • 課題番号 : 19J12728
  • 体系的課題番号 : JP19J12728