講演・口頭発表等

海水試料中の放射性ストロンチウムの前濃縮法に関する検討

第2回日本放射線安全管理学会・日本保健物理学会合同大会
  • 河野 恭彦
  • ,
  • Blinova O.*
  • ,
  • Rozmaric M.*

開催年月日
2019年12月
記述言語
英語
会議種別
開催地
仙台
国・地域
日本

本研究は報告者がIAEA環境研究所放射能測定研究所で留学した際に実施した、海水試料中のストロンチウム分析の前濃縮法の高度化に関するものである。本分析法の高度化に際し、前段階として既知量のストロンチウムを添加した1Lの海水試料を用いて、炭酸塩沈殿にストロンチウムを濃縮するための最適なpHを検討実験を行った結果、pHを10.5に設定することで、ほぼ100\%のストロンチウムを回収できることを確認した。次に、ストロンチウムの妨害元素であるカルシウムを除去するために、水酸化物沈殿をpH12.5にして、また沈殿生成の際に温度を90$^{\circ}$Cに上昇することで、約90\%のカルシウムを除去でき、また約90\%以上のストロンチウムを回収できることを確認した。ここで1L海水試料に対して実施した沈殿生成の化学的な最適条件をもとに、段階的に海水試料の供試量を段階的に100Lまで増やしたところ、海水試料中のストロンチウムを約90\%近く回収できることを確認した。よって、この検討結果から、海水試料中のストロンチウムを回収し、測定を行うために最適な化学的条件を得ることができた。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5066876